全国の公立中高一貫校について調査する「全国の公立中高一貫校徹底研究シリーズ」
今回は、県立高校改革で相次いで県立高校が中高一貫校に姿を変えていることが話題の茨城県の公立中高一貫校「茨城県立並木中等教育学校」について調べたのでご紹介します。
初投稿は2022年ですが2023年受検も振り返りながら2023年3月に追記しています。
2024年受検も振り返りながら2024年3月に追記しています。
茨城県では2022年4月開校の2校を含めて公立中高一貫校が13校になり、都道府県立別の公立一貫校数としては東京を抜いて、全国最多となりました。
水戸一高(水戸市)など多くの県内の進学校が一貫化したことも茨城県の特徴です。
茨城県立並木中等教育学校とは?
茨城県立並木中等教育学校は、埼玉県さいたま市(茨城県つくば市並木4-5-1)にある公立の中高一貫校です。
茨城県立並木中等教育学校は、2022年3月に文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の第3期指定校に選定されました。これにより、令和8年度まで指定が延長されました。SSH校として、第11回科学の甲子園茨城県大会で2年連続の優勝。科学の甲子園ジュニアでも優勝しています。
SSH3期のテーマは「世界をリードする理数系イノベーション人材の育成」です。イノベーション人材をどのように育てるのか。新たの強化する弁証法的対話と失敗を乗り越える力、勇気の育成で推進したいと考えています。現在は、コロナウィルスの感染拡大、地球温暖化、ウクライナでの戦争など、解決が難しい問題が山積しています。このような時代では、既存の学習をしているだけでは新しい発見も発明も生み出せません。そこで、茨城県立並木中等教育学校では弁証法的対話により高度な価値を生み出す基礎を学び、さらに、哲学対話等をとおして失敗をしても乗り越える力、勇気を醸成して行きたいと考えられています。
教育理念・建学の精神 3SR’s
『自制』(Self-Restraint) 『自律』(Self-Reliance) 『自尊』(Self-Respect)を全ての教育活動の根本概念とした,次代の日本・世界の発展を担う『人間力』を備えた人材の育成
育てたい生徒像 3W’s
- 高い志と,それを実現しようとする意志をもつ生徒(Will)
- 創造性豊かで,高い知性をもち,広い視野から物事を考える生徒(Wisdom)
- 自他ともに敬愛する心と,物事に感動する豊かな感性をもつ生徒(Wonder)
目指す学校像 Be a top learner!
- 様々な体験学習を通して広く人間教育を行う学校
- つくば研究学園都市の一角に位置するという地域性を生かし、大学や研究機関等と連携して科学教育を行う学校
- 外国からの研究者・留学生との交流や海外語学研修などを通して、国際理解教育・コミュニケーション能力育成教育を行う学校
茨城県立並木中等教育学校の偏差値は?
茨城県立並木中等教育学校の偏差値は男子59、女子61(四谷大塚の80偏差値)です。
公立中高一貫校は記述問題(作文含む)が多い適性検査であることや小学校から提出される報告書などで選考されるため、偏差値だけでは合格できるか判断できない面があります。
ただ四谷大塚の偏差値からは私立中学受験をしている受検者の併願校のレベルを知る上で参考になります。
同じくらいの偏差値の学校を探すと、私立中学では
- 江戸川学園取手中学校(男子59、女子61)
です。
同じ公立中高一貫校だと
<茨城県内>
- 茨城県立水戸第一高等学校附属中学校(男子61、女子63)
- 茨城県立土浦第一高等学校附属中学校(男子60、女子62)
<全国>
- 東京都立両国高等学校附属中学校(男子60、女子63)
- 神奈川県立相模原中等教育学校(男子61、女子62)
- 横浜市立南高等学校附属中学校(男子61、女子62)
- 千代田区立九段中等教育学校(男子58、女子60)
- 東京都立桜修館中等教育学校(男子60、女子62)
- 東京都立大泉高等学校附属中学校(男子60、女子60)
- 神奈川県立平塚中等教育学校(男子57、女子59)
- さいたま市立浦和中学校(男子58、女子59)
などです。
茨城県立並木中等教育学校の受検倍率は?
2024年・2023年
茨城県立並木中等教育学校の志願倍率は2023年3.23倍、2024年は3.49倍でした。
2022年
茨城県立並木中等教育学校の志願倍率は2022年は3.76倍でした。
茨城県立並木中等教育学校の評判は?
茨城県立並木中等教育学校の「みんなの中学情報」での評価は茨城県内124校中3位と高い評価となっています。特に「学習環境」は茨城県で2位です。他にも「進学実績/学力レベル」(県内3位)、「いじめの少なさ」「学費」「校則」「先生」が高い評価です。
茨城県立並木中等教育学校の進学実績は?
茨城県立並木中等教育学校は、これまで卒業生を9回出しており、素晴らしい進学実績をあげています。2022年3月に卒業した9回生は、147名中、国公立大学に80名(現浪合計は97名)が合格しました。半数以上の生徒が現役で国公立大学に合格したことになります。東京大学へは9名(現役7名)が合格し、東京大学へは9年間で55名が入学しています。筑波大学には25名、すべて現役で合格です。また、医学部医学科には、現浪合わせて19名が合格しています。その他、京都大学など難関大学にも多数の合格者がでています。これらの進学実績は、6年一貫教育で「真の学力」を身につけた結果と言えるでしょう。
茨城県立並木中等教育学校への各塾の合格実績
2024年
茨城県立並木中等教育学校への各塾の合格実績では
- 思学舎:87名
- 茨進(市進学院):80名
- 早稲田アカデミー:7名
2023年
茨城県立並木中等教育学校への各塾の合格実績では
- 茨進(市進学院):73名
- 思学舎:61名
- 早稲田アカデミー:12名
2022年
茨城県立並木中等教育学校への各塾の合格実績では
- 茨進(市進学院):93名
- 思学舎:57名
- 早稲田アカデミー:5名
となっています。
茨城県立並木中等教育学校へのZ会/進研ゼミの合格実績
2023年
公立中高一貫校受検ではZ会や進研ゼミにも適性検査対策のオプション講座があり、茨城県立並木中等教育学校に23年は進研ゼミ19名、Z会13名が合格しています。
2022年
2021年
公立中高一貫校受検ではZ会や進研ゼミにも適性検査対策のオプション講座があり、茨城県立並木中等教育学校に21年は進研ゼミ17名、Z会9名が合格しています。
進研ゼミやZ会の単体受講だけでなく塾との併用も含まれるのではないかと思いますが、進研ゼミやZ会でも茨城県立並木中等教育学校へ多くの合格者を出しています。Z会では2022年からリニューアルで東京都立中(全校)や千葉県立中(千葉・東葛飾)などで出題される「長文読み取り問題」「複数の資料の読み取り問題」に対応する特別回も追加。志望校にあわせた対策が可能です。難解な出題形式に慣れ、限られた時間で正答にたどり着くためのトレーニングを行います。※5年生の8・12・3月号、6年生の10~12月号で出題します。
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茨城県立並木中等教育学校の過去問
まとめ
今回は、茨城県立並木中等教育学校の「特徴」「 偏差値」「進学実績」「塾や通信教育ごとの合格実績」などをご紹介しました。
※本記事は茨城県立並木中等教育学校や各塾などのホームページなどの情報をもとに作成しています。受検をご検討の方々はご自身で各ホームページの情報もご確認下さい。
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