都立中出身講師が銀本(過去問)を徹底解説 | 2023年 山形県立東桜学館中学校

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適性検査 過去問 解説シリーズ
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2024年の公立中高一貫校受検に挑戦する予定の息子に指導をしてくれている東京都立三鷹中等教育学校出身で、現在は早稲田大学に通う「ふるみ」先生に過去問(2024年度受検用 公立中高一貫校適性検査問題集 全国版 (公立中高一貫校適性検査問題集シリーズ))から、公立中高一貫校の適性検査で頻出分野の問題を解説していただく『適性検査 過去問 解説シリーズ』を開始することにしました。

記念すべき第1回の今回は、2023年の山形県立東桜学館中学校の適性検査問題を取り上げて解説してもらいます。

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慶應義塾大学 総合政策学部に在学しており小学生や中学生を対象に英語、数学(算数)をオンラインで指導をしています。子供の教育を考えるBlogのアドバイザーもしています。

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  • 山形県立東桜学館中学校の過去問演習に取り組んだ方
  • 公立中高一貫校受検の適性検査への取り組み方を知りたい方
  • 小4で習う「ものの温度と体積」や小5で習う「ふりこのきまり」について知りたい方
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問題の分析 2023年 山形県立東桜学館中学校

問題の構成

適性検査問題は、大問1から3の3問構成。

それぞれの大問に複数の小問が含まれ、資料の読み取り能力のみならず、算数や理科における知識や計算力、ひいては社会の知識問題に至るまで幅広い問題で構成されています。

各問題の内容や難易度

大問1及び2の算数では、基本的な単位量あたりの割り算、理科では対照実験の考え方、社会では日本の農業に関する知識が問われました。

いずれの問題も難易度は標準的で、大問1と2でどれだけ失点しないか、が合否を分ける重要なポイントの1つであったでしょう。

一方で、大問3は理系要素が強い問題でありながら、正解には会話文の細かい部分の読解が必要であるなど、適性検査問題で必要な総合的な力が問われました。

今回は大問3を中心に解説します。

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【考え方のポイント】2023年 山形県立東桜学館中学校 大問3

大問3のポイントは、2つあります。

  1. 会話文に出てくるキーワードから、基本的な理系的知識を連想すること
  2. その知識をもとに、問題で誘導されている通りに思考を進める

この2つが実践できたかどうかが、スムーズに問題を解き進められたかどうかの分かれ目になりました。

注意すべきポイントは、問題文のみを読んだり会話文を斜め読みしたりすると、ケアレスミスをしやすい、ということです。 大問3の3では、一般的な問題では、「水」が使われることの多い実験が題材になっているものの、今回は「お湯」が使われています。一見読み飛ばしてしまいがちな小さな差異ですが、この部分を読み飛ばすと正解するのは極めて困難になります。

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【思考手順】2023年 山形県立東桜学館中学校 大問3

先ほど、会話文中のキーワードから、基本的な知識を連想することがポイントだと解説しました。ここでは、具体的にどの会話文からなにを連想すべきか、見ていきます。

  • 大問3の1(1)

秋代さん:金属線でおもりをつり下げているので、気温が大きく変化すると、ふりこの1往復にかかる時間がわずかに変化する

ここで連想したい知識は2つです。

1つは、金属線でおもりをつり下げていている「ので」という、前後に因果関係を示す順接の接続詞があることから、金属であることが原因で気温が下がると何かが生じる、そこからさらに連想して金属は気温が下がると、体積が小さくなる、という理科の知識(小4 ものの温度と体積の単元を参照)が想像できるとよいでしょう。

ものの温度と体積
  • 空気・水・金属の体積は、温めると増え、冷やすと減る
  • 空気・水・金属を温度の違いによる体積の変わり方が大きい順に並べると「空気」→「水」→「金属」の順になる
先生

YouTubeとかでも「ものの温度と体積」に関する解説動画とかがあるのでチェックしておきましょう。

もう1つは、ふりこの1往復にかかる時間は何によって決まるか、ということです。ふりこの1往復にかかる時間は、ふりこの長さのみによって決まります。(小5 ふりこのきまりの単元を参照)

ふりこのきまり
  • ふりこの長さ=支点からおもりの中心(重心)までの長さ
  • ふりこの性質①:おもりが1往復する時間(周期)は何で変わる?
    • ふりこの周期はふりこの長さによって決まり、おもりの重さや形、振れ幅などでは変わらない。
  • ふりこの性質②:ふりこの速さ
    • ふりこの速さは、おもりが最も高い位置に来た時に速さは0(一瞬止まった状態)になり、最も低い位置に来た時に最も速くなる。
    • ふりこの速さは、振れはじめの位置によって変わり、振れ幅が大きいほど速くなる。

(1)は考え方のポイント①『会話文に出てくるキーワードから、基本的な理系的知識を連想すること』を使って得られたこれらの知識から、適切な選択肢を選ぶことはそう難しくないはずです。

(2)を解くには、考え方のポイント②『その知識をもとに、問題で誘導されている通りに思考を進める』のスキルを使って解くと過不足ない回答を書くことができます。

(2)の問題は、同じひものながさのふりこで、1往復にかかる時間が異なる理由を記述する問題です。

(1)で、ふりこの1往復にかかる時間は、ふりこの長さの違いによって変わる、とわかりました。このことから、水の量の違いにより、「実質的にひもだとみなせる長さ」が変わると推察することができます。

実際に、ふりこのひもの長さの定義は、ひもを支えている所から、おもりの中心までの長さのことを言います。

【解答解説】2023年 山形県立東桜学館中学校 大問3

大問1の1(1)

気温が下がると、金属線の長さが短くなるため、1往復にかかる時間が短くなる。

大問1の1(2)

ふりこの長さには、ひもの長さだけでなく、ペットボトルのおもりの重心まで含まれるため、イのほうがふりこの長さが長くなるから。

解答時間の目安 2023年 山形県立東桜学館中学校 大問3

大問3の1の解答時間の目安:8分

大問3全体の解答時間の目安:25分

類似問題 | ふりこの問題

ふりこの問題は、頻出問題です。令和3年度の青森県立中学校入学者選抜 適性検査Ⅱの大4は基本的なふりこ問題を網羅的に出題しています。

令和3年度 青森県立中学校入学者 選抜適性検査 Ⅱ

令和3年度 青森県立中学校入学者 選抜適性検査 Ⅱ

令和3年度 青森県立中学校入学者 選抜適性検査 Ⅱ【解答例】

まとめ

今回は、2023年の山形県立東桜学館中学校の適性検査問題を取り上げて解説しました。

特に大問3を詳しく解説しましたが小4で習う「ものの温度と体積」や小5で習う「ふりこのきまり」などの知識を元に問題で誘導されている通りに思考を進める手順をご紹介しました。

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慶應義塾大学 総合政策学部に在学しており小学生や中学生を対象に英語、数学(算数)をオンラインで指導をしています。子供の教育を考えるBlogのアドバイザーもしています。

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経歴:小学4年生から都立中受検塾enaで適性検査指導を受けており、都立三鷹中等教育学校に入学しました。現在は早稲田大学政治経済学部に在学しております。小6の生徒さんへの適性検査の個別指導経験があります。

私も中高一貫校受検を経験しているので私がやって来た事をもとに受検勉強のサポートをしていきたいと思います。受検勉強は大変ですが合格したら楽しい事がたくさんあるので一緒に頑張りましょう!

S先生

経歴:中学受検を経て都立立川国際中中等教育学校入学、卒業後は台湾の大学に進学しました。現在はAIに焦点を当てて学習中であり、英語(Toeflスコア82、英検準一級)と中国語(Tocflバンドc)を使えます。

台湾で大学生をしている鈴木です!僕も中高一貫校受検を経験していて自分がやって来た事をもとに勉強のサポートをしていきたいと思います。受検勉強は大変ですが合格したら楽しい事がたくさんあるので一緒に頑張りましょう!

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