全国の公立中高一貫校について調査する「全国の公立中高一貫校徹底研究シリーズ」
今回は、県立高校改革で相次いで県立高校が中高一貫校に姿を変えていることが話題の茨城県の公立中高一貫校「茨城県立勝田中等教育学校」について調べたのでご紹介します。
初投稿は2022年ですが2023年受検も振り返りながら2023年3月に追記しています。
2024年受検も振り返りながら2024年3月に追記しています。
茨城県では2022年4月開校の2校を含めて公立中高一貫校が13校になり、都道府県立別の公立一貫校数としては東京を抜いて、全国最多となりました。
水戸一高(水戸市)、土浦一高(土浦市)など多くの県内の進学校が一貫化したことも茨城県の特徴です。
茨城県立勝田中等教育学校とは?
茨城県立勝田中等教育学校は、茨城県ひたちなか市(茨城県ひたちなか市足崎1458)にある公立の中高一貫校です。
茨城県立勝田中等教育学校 紹介動画
勝田中等の2022年度版学校紹介動画です。勝田中等の1期生が出演しているそうです。
目指す学校像
グローバルな視野と起業家精神を兼ね備え、自ら人生を切り拓くとともに、「地域」と「世界」をつないで地域創生に貢献するグローカルリーダーを育成する学校
グローバル、リーダーシップなどは全国の公立中高一貫校で掲げられていますが勝田中等はKUMONとグローバル教育に関する協定を締結するなど具体的な施策を打ち出しています。
言語習得機会の充実
グローバル・コンピタンス・プログラム
茨城県立勝田中等教育学校では、「総合的な学習の時間」で実施する「未来探究」の中で、グローバル・コンピタンス・プログラムⅠ・Ⅱを学びます。このプログラムによって、語学力はもちろん、世界で活躍できるためのリーダーシップや異文化適応能力を育成します。
英語を実践的に活用し海外の人々と触れ合う機会
全員が参加する1年次の「異文化体験キャンプ」や3年次の「国内フィールドスタディ」、5年次の「海外フィールドスタディ」のほか、希望者が参加する「オーストラリア研修」や「アメリカ研修」など、英語を実践的に活用し海外の人々と触れ合う機会をたくさん設けています。また、英語だけでなく第二外国語を体験できる機会も設けています。
TOEFLテストを軸とした実践的英語教育
茨城県立勝田中等教育学校では、日本英語検定試験だけではなく、世界で通用する資格試験であるTOEFLを軸とした英語教育を展開します。 1年次から2年次ではTOEFL Primary、3年次から4年次ではTOEFL Juniorで実践的な英語力をはかります。
短期・長期留学の促進
茨城県立勝田中等教育学校では、一般社団法人国際教育交流ネットワーク機構茨城支部(ISE)との連携に基づき、4年次~5年次向けの様々な留学プログラムを紹介しています。アメリカの公立高校に1年間、奨学金を受けて通常より安く留学できる奨学金プログラムや、カナダの教育委員会との協定によりブリティッシュコロンビア州(カナダ)の公立高校に半年あるいは1年間留学できるプログラムに参加できます。6年間完全一貫教育による高校受験がないからこそ生まれるゆとりを、グローバルな留学体験にあてることができます。
コロナの影響を受けていると思いますが素晴らしい取り組みだなと思います。全国的にも先進的な取り組みだと思います。
海外大学進学の推進
海外大学進学は、受験制度が複雑で多岐にわたるため、受験準備に非常に労力と時間がかかります。茨城県立勝田中等教育学校では、6年間完全一貫教育の強みを活かし、海外大学進学の指導を中学時の早い段階から行うことで、国内大学と海外大学との併願を可能にします。令和4年度より、確実に海外大学に合格できる海外大学推薦制度も実施するとのことです。
育てたい生徒像
- 主体的な学びを通して、知識・技能を活用することができる生徒
- 探究的な姿勢で、新たな創造をすることができる生徒
- 豊かな人間性にあふれ、多様な人々と協働することができる生徒
- 個々の夢の実現に向けて、挑戦し続けることができる生徒
生徒一人一人の夢や希望をかなえる学校
- 「地域の中の学校」として、6年間の計画的・継続的な教育活動を柱に、生徒の個性を伸長する。
- 探究活動や国際教育、科学教育等に重点を置いた教育を展開し、豊かな人間性と「起業家精神」を兼ね備えた地域のリーダーや世界に飛び立つ人財を育成する。
- 生徒や保護者が6年間の中高一貫教育も選択できるようにすることにより、地域の中等教育の多様化を推進する。
教育課程
前期課程(1~3年次)は中学校、後期課程(4~6年次)は高等学校に相当します。
後期課程では、文理融合による学級編成を行いますが、高等学校学習指導要領の実施(R4~)及びその他の国の方策(文系・理系の類型にかかわらず様々な科目をバランスよく学ぶことなど)等を踏まえ、難関国公私立大学、県内国公私立大学、海外大学等への進学を可能にする教育課程の編成を検討しています。
茨城県立勝田中等教育学校の入学者募集・選抜について
応募資格
下記のいずれにも該当する者。
- 小学校若しくはこれに準ずる学校又は義務教育学校の前期課程(以下「小学校」という。)を令和4年3月に卒業又は修了する見込みの者
- 保護者とともに県内に居住する者(入学日までに保護者とともに県内に居住することが確実な者を含む。)
通学区域
茨城県内全域
募集定員
120人(男子:60人程度、女子:60人程度)
学級数:3クラス
選抜検査の内容
併設型中学校入学者選抜方法
- 適性検査Ⅰ(45 分間):小学校で学習した内容を基に,思考力,判断力及び課題を発見し解決する力などをみる。
- 適性検査Ⅱ(45 分間):文章や資料を基に,読解力,分析力及び自分の考えを表現する力などをみる。
- 面接(1グループ20 分間程度):5人程度を1グループとした集団面接とし,学習への意欲や6年間一貫の学校生活への適性などをみる。
適性検査、面接以外に小学校で作成してもらう調査書や志願理由書も選抜で使用されます。
茨城県立勝田中等教育学校の偏差値は?
茨城県立勝田中等教育学校の偏差値は男子51、女子51(首都圏模試センター)です。
公立中高一貫校は記述問題(作文含む)が多い適性検査であることや小学校から提出される報告書などで選考されるため、偏差値だけでは合格できるか判断できない面があります。
また、受験層が異なるので高校受験の偏差値とは基準が違います。首都圏での中学受験では高校受験に換算するにはプラス10すると同じぐらいになると言われます。
同じくらいの偏差値の学校を探すと、国立/私立中学では
- 茨城大学教育学部附属(男子52、女子52)
- 土浦日本大学中等教育学校(男子、女子:40~55)
です。
同じ公立中高一貫校だと
<茨城県内>
- 茨城県立古河中等教育学校(男子50、女子50)
- 茨城県立下館第一高等学校附属中学校(男子52、女子52)
などです。
茨城県立勝田中等教育学校の受検倍率は?
2024年・2023年
茨城県立勝田中等教育学校の受検倍率は2023年1.42倍、2024年は1.22倍でした。
2022年
茨城県立勝田中等教育学校の受検倍率は2022年は1.80倍でした。
茨城県立勝田中等教育学校の制服
茨城県立勝田中等教育学校の制服と体操服を紹介する動画です。
茨城県立勝田中等教育学校の進学実績は?
茨城県立勝田中等教育学校は令和3(2021)年開校なので進学実績は、まだ出ていません。
茨城県立勝田高等学校の進学実績としては令和3年度入試合格者は国公立大学に32名(現役28名)が合格しています。ちなみにボリュームゾーンは「茨城キリスト大」に48名(現役46名)、「常磐大」に40名(現役40名)、「日本大」に22名(現役21名)が合格しています。
同じ公立中高一貫校でも水戸一高(水戸市)や土浦一高(土浦市)などのように東京大学や京都大学に複数の合格者を出すような進学校ではないようですが、茨城県立勝田中等教育学校で6年間の一貫教育を受けることで海外大学を含めた難関大学への合格者を増やすのではないかなと思います。
茨城県立勝田中等教育学校への各塾の合格実績
2024年
茨城県立勝田中等教育学校への各塾の合格実績では
- 茨進(市進学院):28名
- 思学舎:合格実績はあり:10名
2023年
茨城県立勝田中等教育学校への各塾の合格実績では
- 茨進(市進学院):40名
- 早稲田アカデミー:2名
- 思学舎:合格実績はあり(人数不明)
2022年
茨城県立勝田中等教育学校への各塾の合格実績では
- 茨進(市進学院):46名
- 思学舎:5名
- 早稲田アカデミー:3名
となっています。
茨城県立勝田中等教育学校へのZ会/進研ゼミの合格実績
2023年※進研ゼミ、Z会の合格実績は毎年夏ごろ開示されます
2022年
2021年
公立中高一貫校受検ではZ会や進研ゼミにも適性検査対策のオプション講座があり、茨城県立勝田中等教育学校に21年は進研ゼミ21名、Z会6名が合格しています。
Z会や進研ゼミの単体受講だけでなく塾との併用も含まれると思いますがZ会では2022年からリニューアルで東京都立中(全校)や千葉県立中(千葉・東葛飾)などで出題される「長文読み取り問題」「複数の資料の読み取り問題」に対応する特別回も追加。志望校にあわせた対策が可能です。難解な出題形式に慣れ、限られた時間で正答にたどり着くためのトレーニングを行います。※5年生の8・12・3月号、6年生の10~12月号で出題します。
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茨城県立勝田中等教育学校の過去問
まとめ
今回は、茨城県立勝田中等教育学校の「特徴」「 偏差値」「進学実績」「塾や通信教育ごとの合格実績」などをご紹介しました。英語教育、グローバル教育に関しては全国的にもトップクラスのカリキュラムや制度を整備しているなと思いました。
※本記事は茨城県立勝田中等教育学校や各塾などのホームページなどの情報をもとに作成しています。受検をご検討の方々はご自身で各ホームページの情報もご確認下さい。
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