現在、公立中高一貫校(連携型を除く)を開校していない都道府県は、愛知県、岐阜県、島根県、鳥取県、富山県、三重県の6県のみとなっています。
そのうち愛知県が2025年に県立の明和高等学校、半田高等学校、刈谷高等学校、津島高等学校の4校に中学校を新設し、併設型中高一貫校に移行すると発表しました。
今回は、愛知県立の公立中高一貫校の評判/選考方法などをご紹介します。
対象校
第一次導入校 2025年4月開校予定
地区 | 導入校 | 併設中学校1学年の学級数 | 併設中学校から進学可能な高校の学科 |
---|---|---|---|
名古屋 | 明和高等学校 | 2学級 | 普通科・音楽科(※) |
尾 張 | 津島高等学校 | 2学級 | 国際探究科(普通科から学科改編) |
半田高等学校 | 2学級 | ||
三 河 | 刈谷高等学校 | 2学級 | 普通科 |
第二次導入校 2026年4月開校予定
類型 | タイプ | 導入校(※) |
---|---|---|
探究学習重視型(3校) | SSH(スーパーサイエンスハイスクール)実施校 | 豊田西高等学校(豊田市) |
SSH(スーパーサイエンスハイスクール)実施校 | 時習館高等学校(豊橋市) | |
グローバル探究実施校 | 西尾高等学校(西尾市) |
中高一貫導入校の開校までのスケジュール
2023年度
7月 入学者選抜方法の概要を公表
10月 入学者選抜方法・日程・教育内容を公表
11月 保護者説明会を開催
12月 サンプル問題を公表
2月 学校名を決定
2024年度
8月 入学希望者説明会開催
1〜3月 入学者選考、合格発表
2025年度
4月開校
対象校の特色
SSH(スーパーサイエンスハイスクール)実施校
- 明和高等学校
- 半田高等学校
- 刈谷高等学校
- 豊田西高等学校
- 時習館高等学校
文部科学省のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校として取り組んできた「探究的な学び」をベースに、学内外の機関(大学や企業等)と連携し、中学校段階から幅広い探究学習に取り組む。
さらに、時習館高校では、SSHに加え、グローバルリーダーの育成を目指した「AGH(あいちグローバルハイスクール)」の取り組みをベースに、教科横断的・文理融合の探究的な学びを採用。段階的に国際バカロレアの導入を目指す。
グローバル探究実施校
- 津島高等学校
国際理解コースで取り組んできた「国際交流活動」をベースに、国内・国外の様々な機関と協働し、中学校段階から多様性・国際性に富んだ人財の育成に取り組む。同時に、現在の学科を国際探究科に学科改編し、段階的に国際バカロレアの導入を目指す。
- 西尾高等学校
「あいちスーパーイングリッシュハブスクール」指定校として取り組んできた国際交流や、地域学習「西尾学」などをベースに、グローカル(グローバル+ローカルの造語)な探究学習に取り組む。段階的に国際バカロレアの導入を目指す。
併設中学校の開校時期
2025(令和7)年4月開校
中高一貫教育導入のねらい
社会の「チェンジ・メーカー」として、個性や能力を発揮できる子どもを育てる。
現在の社会は加速度的に変化し続けており、将来の予測が極めて難しい時代となっています。このような社会や時代においては、様々な人々と協働しながら、答えのない社会的な課題に対して、失敗を恐れずにチャレンジし、社会に変化を起こす「チェンジ・メーカー」になっていくことが求められています。
愛知県に導入される中高一貫教育では、ゆとりのある計画的・継続的な教育や、地域の方々との活動を通して、一人一人異なる個性をもつ子どもたちの可能性を最大限に引き出し、伸ばす学びを進めていきます。
ちなみに茨城県では公立高校改革の一環として公立中高一貫校を増やしており、2022年に東京都を抜いて全国の都道府県で最も公立中高一貫校が多い都道府県となりました。県内トップの進学校を公立中高一貫校化するなど注目されています。
教育内容
探究学習
明和高等学校・半田高等学校・刈谷高等学校普通科
大学や企業と連携して、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の探究的な学びを中心に、幅広く中学校段階から探究学習に取り組みます。
津島高等学校国際探究科(普通科から学科改編)
国際理解コースで取り組んでいる国際交流活動に、中学校段階から取り組みます。
高等学校の学科を国際探究科に学科改編するなどし、国際バカロレア(※)の趣旨を踏まえた探究的な学びを実践した後、段階的に国際バカロレアの導入を目指します。
※国際バカロレア:課題論文、批判的思考の探究等の特色的なカリキュラム、双方向・協働型授業により、世界150 以上の国・地域の5,000 校以上で実施。
高校レベルのディプロマ・プログラム(DP)で、国際的に通用する大学入学資格(IB資格)を取得し、その成績によって世界の大学への入学が可能となる。
教科学習について
中学校段階では、少人数・習熟度別指導により、基礎基本の定着を図りつつ、中学校と関連の深い高等学校の学習内容に中学校段階からしっかりと触れることで、より深い学びに取り組みます。
※探究を深めるための先取りは行いますが、大学受験対策のためだけに授業進度を早めることはしません。
入学生徒の選考方法
愛知県教育委員会は2025年度に開校予定の探求型の学習を重視する公立中高一貫校の入学者の選考方法について、抽せんは行わず、全問選択式の適性検査を行った上で、面接で資質や意欲などを判断するなどとした案をまとめたようです。
適性検査
出題は、小学校学習指導要領の範囲内とし、思考力、判断力、表現力、課題解決力等を総合的に測ります。適性検査のサンプル問題は、2023年度に公表される予定です。
- 全問選択式
- 教科は区別せず、教科横断的な問題を出題する
- 英語は出題しない
面接
中高の6年間学び続ける意欲や志望動機、適性、コミュニケーション能力などを見ます。
志願者の体験を基に、その内容についての質疑応答を通して資質を見る「リフレクション(振り返り)型」を採用する。
調査書
小学校5・6年生の内容を、点数化はせず、入学者決定の際の参考として見ます。
愛知県 公立中高一貫校の評判・口コミ
まだ開校前ということで具体的な評判や口コミは多くありませんでしたがインタエデュで、いろいろな情報がやりとりされています。
愛知県 公立中高一貫校の過去問
こちらも、まだ開校前ということで過去問はありません。
2023年12月に適性検査のサンプル問題が公開される予定のようです。
ちなみに全国の公立中高一貫校の2023年度の過去問が「2024年度受検用 公立中高一貫校適性検査問題集 全国版」(通称:銀本)に掲載されています。
適性検査とは、どんな問題なのか?を知りたい場合は「2024年度受検用 公立中高一貫校適性検査問題集 全国版」で全国の公立中高一貫校適性検査を確認することができます。
まとめ
今回は2025年度に4校の公立中高一貫校が開校する愛知県の公立中高一貫校の評判/選考方法などをご紹介しました。
コメント