全国の公立中高一貫校について調査する「全国の公立中高一貫校徹底研究シリーズ」
今回は、県立高校改革で相次いで県立高校が中高一貫校に姿を変えていることが話題の茨城県の公立中高一貫校「茨城県立古河中等教育学校」について調べたのでご紹介します。
初投稿は2022年ですが2023年受検も振り返りながら2023年3月に追記しています。
2024年受検も振り返りながら2024年3月に追記しています。
2025年1月、2026年7月にも追記しています。
- 茨城県立古河中等教育学校を受検することを考えている方
- 茨城県立古河中等教育学校に関して知りたい方
- 茨城県立古河中等教育学校に強い塾を知りたい方
茨城県では2022年4月開校の2校を含めて公立中高一貫校が13校になり、都道府県立別の公立一貫校数としては東京を抜いて、全国最多となりました。
水戸一高(水戸市)、土浦一高(土浦市)など多くの県内の進学校が一貫化したことも茨城県の特徴です。
茨城県立古河中等教育学校とは?
茨城県立古河中等教育学校は、茨城県古河市(茨城県古河市磯部846)にある公立の中高一貫校です。
茨城県立古河中等教育学校は茨城県にある公立中高一貫校では3校目(連携型中高一貫教育校を除く)の学校として平成25年度に設立されました。(初期の校名は総和でした)
目指す学校像
- 6年間の継続的・計画的な教育活動を通じて、一人一人が高い志を育み、その実現に向けて知性と人間性を高める学校
- 科学教育や国際教育を推進し、体験的・探究的な学習活動の展開により、国内外で活躍するための科学的思考力や表現力を培う学校
- 異学年交流を重視した学校行事や部活動、ボランティア活動などを通じて、社会に貢献するリーダーとしての資質を磨く学校
高校入試のない6年間を通じて、「体験」「探究」「自立」を重んじる学びを行います。また、ハイレベルな授業と先取り学習によって、将来、難関大学や医学部へ進学できる高い学力を養います。
育てたい生徒像
- 広い視野と柔軟な思考力,豊かな感性を備え,新たなものを創造できる生徒(Creation)
- さまざまな分野への好奇心や探究心にあふれ,自ら進んで真理の追究や課題の解決に挑戦できる生徒 (Challenge)
- 高い目標と強い意志を持ち,地域や日本,国際社会の発展に貢献できる生徒 (Contribution)
茨城県立古河中等教育学校の入学者募集・選抜について
応募資格
下記のいずれにも該当する者。
- 小学校若しくはこれに準ずる学校又は義務教育学校の前期課程(以下「小学校」という。)を令和4年3月に卒業又は修了する見込みの者
- 保護者とともに県内に居住する者(入学日までに保護者とともに県内に居住することが確実な者を含む。)
選抜検査の内容
併設型中学校入学者選抜方法
- 適性検査Ⅰ(45 分間):小学校で学習した内容を基に,思考力,判断力及び課題を発見し解決する力などをみる。
- 適性検査Ⅱ(45 分間):文章や資料を基に,読解力,分析力及び自分の考えを表現する力などをみる。

適性検査以外に小学校で作成してもらう調査書や志願理由書も選抜で使用されます。
茨城県立古河中等教育学校の偏差値は?
茨城県立古河中等教育学校の偏差値は男子50、女子50(首都圏模試センター)です。

公立中高一貫校は記述問題(作文含む)が多い適性検査であることや小学校から提出される報告書などで選考されるため、偏差値だけでは合格できるか判断できない面があります。
同じくらいの偏差値の学校を探すと、国立/私立中学では
- 常総学院中学校(男子41~53、女子41~53)
- 土浦日本大学中等教育学校(男子40~55、女子40~55)
- 茨城大学教育学部附属(男子52、女子52)
です。
同じ公立中高一貫校だと
<茨城県内>
- 茨城県立下妻第一高等学校附属中学校(男子53、女子53)
- 茨城県立水海道第一高等学校附属中学校(男子53、女子53)
- 茨城県立勝田中等教育学校(男子51、女子51)
などです。
茨城県立古河中等教育学校の受検倍率は?
茨城県立古河中等教育学校の受検倍率は?
古河中等教育学校は、県西エリアの優秀な受検生を集める人気の完全中高一貫校です。
2026年度(令和8年度)入試より、募集定員が従来の「120名」から「105名(35名×3クラス)」へと削減され、さらに「男女別募集枠(各60名)」が廃止された(男女合同選抜への移行)ことで、受検生の競争環境はさらに厳しくなりました。
近年の倍率推移は以下の通りです。
年度別受検倍率推移:
| 入試年度 | 募集定員 | 志願者数 | 受検者数 | 合格者数 | 志願倍率 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026年度 (R8) | 105名 | 201名 | 199名 | 120名 | 1.91倍 | 1.66倍(※追加合格含む) |
| 2025年度 (R7) | 120名 | 201名 | 189名 | 120名 | 1.68倍 | 1.58倍 |
| 2024年度 (R6) | 120名 | 185名 | — | — | 1.54倍 | 非公表 |
| 2023年度 (R5) | 120名 | 210名 | — | — | 1.75倍 | 非公表 |
| 2022年度 (R4) | 120名 | 244名 | 244名 | 120名 | 2.03倍 | 2.03倍 |
なぜ定員が減ったのか?
募集定員が120名から105名へ減少した理由は、学校の人気低迷や定員割れといったネガティブなものではありません。これは茨城県教育委員会が国の方針に合わせ、県立の中高一貫校および中等教育学校に対して「1学級35人学級制度」を導入したことによるものです。 これまでは1クラス40人の3クラス構成で学年120名でしたが、教育環境の質を向上させるために1クラス35人の3クラス構成へ移行し、学年105名へと改められました。教育改革に伴う全国的な少人数学級化の流れを汲んだ、前向きな制度変更といえます。
定員が減ったことで、受検への影響は?
最も心配されるのは、合格が難しくなるのではないかという点です。結論から言うと、合格の門戸が狭まったことで実質倍率は上昇し、これまで以上に「1点差に多くの受検生がひしめく大混戦」となっています。
さらに、この定員削減と同時に「男女別募集枠(男女それぞれ60名ずつ)」が廃止され、男女合同の「成績順選抜」へと完全に移行しました。これにより、男女の比率を気にすることなく、純粋に適性検査の得点が高い順に合格者が決まります。 この変化による影響として、合格最低点(ボーダーライン)付近での争いが非常にシビアになりました。過去問対策を行う際は、単に「合格平均点」を目指すだけでなく、苦手分野を徹底的に潰して「確実に得点を積み重ねる堅実さ」が求められます。地元の個別指導塾や茨進などの模試を上手に活用し、本番のプレッシャーに負けない得点力を養うことが重要です。
定員が減ったことで、入学後に期待できる効果は?
受検期は厳しさを増す一方で、入学後の学習環境としては非常に魅力的なメリットが生まれます。
まず、1学級が35人になることで、先生の目が一人ひとりに届きやすくなります。古河中等は完全中高一貫校として6年間の先取り学習や質の高いカリキュラムを提供していますが、少人数になることで「授業で置いてきぼりになるリスク」が大幅に軽減されます。つまずきやすい数学や英語の授業において、先生が生徒一人ひとりの理解度をより細かく把握し、個別指導や手厚いフォローを行いやすくなります。
また、中等教育学校で重視される「探究型学習」や「英語のプレゼンテーション」「グループワーク」においても、一人ひとりの発表機会や発言機会が格段に増えます。これにより、主体性や表現力がより早く身につくようになります。思春期の多感な時期において、担任や学年の先生方が生徒たちの小さな変化や悩みにいち早く気付き、精神的なケアや手厚い進路指導を行いやすくなるのも、少人数化の大きなメリットです。
2024年・2023年

2022年
茨城県立古河中等教育学校の受検倍率は2022年は2.03倍でした。
※募集定員120人に対し受検者数は244人でした。

首都圏の公立中高一貫校では千葉県立東葛飾中学校の受検倍率10.6倍、さいたま市立浦和中学校の受検倍率は7.7倍など高倍率の学校も多いです。
茨城県立古河中等教育学校の評判は?
茨城県立古河中等教育学校の「みんなの中学情報」での評価は茨城県内124校53位でした。評価が高いのが「制服」が茨城県内で2位、「進学実績/学力レベル」(同4位)「施設」(同14位)「いじめの少なさ」(同17位)などです。逆に「学習環境」「治安/アクセス」が少し低めです。
茨城県立古河中等教育学校の制服
冬服
夏服

制服が人気なのもうなずけますね!お洒落!
茨城県立古河中等教育学校の進学実績は?
茨城県立古河中等教育学校の2021年度入試 大学等合格数では茨城大学13名、筑波大学6名(現役5名)、埼玉大学7名など国公立大学61名(現役59名)、医学部医学科では筑波大学に1名が現役で合格しています。私立大学だと早稲田大学4名(現役3名)、慶応義塾大学2名(現役1名)、上智大学2名などの合格者を出しています。
茨城県立古河中等教育学校の進学実績は?
高校受験からの募集(高入)は一切なし!完全一貫校の強み
併設型の「高校附属中学校」とは異なり、古河中等は「中等教育学校」という独立した形態をとっています。これは、高校受験での外部募集(高校からの入学枠)が一切行われない、県内でも数少ない「完全中高一貫校」です。高校受験による新たな生徒の合流がないため、以下のような非常に大きな学習環境の強みがあります。
- 6年間クラスメイトや学習レベルの「ズレ」がない: 高校から入ってくる生徒(高入生)と進度を合わせる必要がないため、中学1〜2年生の段階から高校の学習内容をスムーズに先取りするカリキュラムが構築されています。これにより、大学入試対策に割く時間を十分に確保できます。
- 外部合流による学力格差に悩まされない: 併設型一貫校の高校募集枠で課題になりがちな「高校受験組の倍率や学力低下に伴う、学校全体の学力地盤沈下」に引っ張られることがありません。選抜をくぐり抜けた同水準の仲間たちと、6年間高いモチベーションを保ちながら切磋琢磨できる理想的な環境が整っています。
古河中等の歴史と歩み:1期生はいつから?2026年は何期生?
学校の進学実績を正しく評価する上で、その歴史と卒業生の変遷を知ることは非常に重要です。
茨城県立古河中等教育学校は、2013年度(平成25年度)4月に開校し、同年に記念すべき「1期生」が誕生しました。中高一貫の6年間を終えた1期生は、2019年春(平成31年・令和元年)に初めての卒業生として大学受験に挑み、その輝かしい進学実績の歴史をスタートさせました。
それから着実に実績を積み重ね、2026年春(令和8年)に卒業した生徒たちは「8期生」となります。開校から10年以上が経過し、一貫教育の指導ノウハウやカリキュラムは完全に成熟期を迎えており、安定的かつ高いレベルの進学実績を維持し続けています。
【5か年】主要大学合格実績一覧(2022年度〜2026年度)
古河中等の進学実績は、外部からの高校受験組を含まない「一貫生100%(純度100%)」の実績です。1学年120名(2026年度以降は105名)という限られた人数の中で、極めて高い国公立・難関私立合格率を誇っています。
過去5年間の主要大学合格者数の推移は以下の通りです。
主要国公立大学 合格者数
| 大学名 | 2026年度 | 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京大学 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 |
| 東北大学 | 3 | 4 | 2[1] | 2 | 3 |
| 筑波大学 | 4[1] | 4 | 5 | 8 | 6[1] |
| 埼玉大学 | 7 | 3 | 2 | 3 | 7 |
| 宇都宮大学 | 8[1] | 10 | 4 | 3 | 7 |
| 茨城大学 | 5[1] | 2 | 3 | 4[1] | 13 |
| 千葉大学 | 0 | 1 | 1 | 3 | 0 |
| 一橋大学 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 |
| 東京科学大学(旧東工大) | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 |
| 神戸大学 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
| 東京都立大学 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 |
| 国公立大学 合格者総数 | 46 | 51 | 40 | 47 | 61 |
最難関・難関私立大学(早慶上理・GMARCH) 合格者数
| 大学名 | 2026年度 | 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 早稲田大学 | 2 | 11[1] | 6[2] | 6[1] | 4[1] |
| 慶應義塾大学 | 0 | 0 | 6[1] | 5 | 2[1] |
| 上智大学 | 3[1] | 5 | 3 | 1 | 2 |
| 東京理科大学 | 10 | 12 | 4 | 8 | 10 |
| 明治大学 | 20[2] | 24 | 14 | 11 | 13 |
| 青山学院大学 | 4 | 5[3] | 7[1] | 4[1] | 3 |
| 立教大学 | 1 | 16[2] | 5 | 6 | 10 |
| 中央大学 | 6 | 8 | 4 | 7[1] | 8[1] |
| 法政大学 | 13 | 18[1] | 21[1] | 17[1] | 18[1] |
医学部医学科 合格者数
| 大学名 | 2026年度 | 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東北大学(医) | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 筑波大学(医) | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 |
| 金沢大学(医) | 0 | 0 | 1[1] | 0 | 0 |
| 東北医科薬科大学(医) | 0 | 1[1] | 0 | 1[1] | 0 |
| 獨協医科大学(医) | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| 北里大学(医) | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 |
| 医学部医学科 合格総数 | 4 | 5 | 3 | 4 | 1 |
進学実績から見える古河中等の確かな指導力
古河中等の大学合格実績を見る上で最も評価すべき点は、これが「高校から優秀な生徒を推薦や受験で引っ張ってきた実績」ではなく、「12歳で入学した生徒たちを、6年間かけて学校の力だけで伸ばした純度100%の実績」であるということです。
1学年120名(2026年度の8期生も120名規模)という少人数ながら、毎年難関国公立大や最難関の東北大・筑波大医学部医学科へ安定して現役合格者を送り出しています。さらに、早慶上理やGMARCHといった首都圏の難関私立大学にも毎年非常に厚い合格ボリュームを維持しているのが大きな強みです。
特に最難関である医学部医学科への進路実現に向けては、学校内に独自の「医学コース(医学研究会)」を設置し、現役医師による講話や手厚い面接・小論文対策を実施しています。その成果が5か年データにもはっきりと現れています。
高校受験による外部の影響を一切受けない完全一貫校だからこそ、学校独自のカリキュラムが非常に効果的に機能しています。県西エリアで「塾に頼りすぎず、学校の指導だけで第一志望の国公立や難関私大を現役で狙いたい」と考えるご家庭にとって、これほど信頼できる進学環境はありません。








