全国の公立中高一貫校について調査する「全国の公立中高一貫校徹底研究シリーズ」
今回は、京都府の公立中高一貫校「京都市立西京高等学校附属中学校」について調べたのでご紹介します。
京都市立西京高等学校附属中学校とは?
京都市立西京高等学校附属中学校は、京都市中京区(西ノ京東中合町1)にある公立の中高一貫校です。
京都市立西京高等学校附属中学校とは
京都市立西京高等学校附属中学校は、2004(平成16)年、京都市では初めてとなる中高一貫校として開校しました。京都府商業学校・市立第一商業学校と経てきた歴史は古く、創立は1886(明治19)年までさかのぼります。
高校には、自然科学系・社会科学系の2コースをもつ「エンタープライジング科」という特色のある専門学科があり、その新しい取り組みに注目が集まっています。
教育理念
『進取・敢為・独創』の校是の下,エンタープライズシップにあふれた,未来社会をリードし創
造する人材を育成する。
教育目標
変化の激しい未来社会において、高い知性を育み、一人一人の個性を伸長する学習を展開し、自由な発想と果敢な実行力を持ったチャレンジ精神を涵養し、未来社会の一員として調和のとれた豊かな感性を磨く。
創造的コミュニケーション能力を駆使して、グローバルな視点で自然現象・社会事象を考察し、これからの国際社会に貢献し活躍できるグローバルリーダーを育成する。(この目標をさらに具体的に実現するため、高等学校に自然科学系(理系)・社会科学系(文系)の2 つの専門コースを設置し,生徒の大学進学への進路実現を図る。)
学校経営の基本構想
- 学校はおもしろく楽しいところでなければならない。「おもしろおかしく」「おもしろおかしく」学校生活を過ごすために、やりたいこと、やるべきこと、そしてやれることは何かを考え、実現することが重要である。そのために、学校が何をすべきかを考え生徒が主役になる学校であり続けなければならない。
- 新学習指導要領の理念と徹底した「授業改善」(「教える授業」から「学ぶ授業」へ)令和 3(中学)4(高校)年度の新学習指導要領実施に向けて 3 年間の実施計画に基づき第三次西京改革に関する検討委員会において、今後身につけさせたい資質・能力の具体案を示した。今年度は,いよいよ高校でも新学習指導要領に基づいた教育課程がスタートし具現化する。全ての教育活動の基本は「授業」であると全教職員が強く認識し,新学習指導要領の理念に基づき SIP をはじめとした ICT を積極的に活用し「自ら学ぶ力」の育成をめざし,徹底した「授業改善」を行う。
※SIP…内閣府の「戦略的イノベーション創造的プログラム(SIP)」に基づく「エビデンスに基づくテーラーメイド教育の研究開発」 - 社会で活躍・貢献できるために必要な資質・能力の明確化と共通理解
本校の言う「社会人力」を身に付けるために実践する教育活動(3 つの C:Communication(人と繋がる)Collaboration(社会と関わる)Challenge(果敢に知と向き合う))をベースに今後世界で活躍するための具体的な資質能力を明確にし「Global Leadership」を涵養させる。
具体的な資質能力として
・Creativity(新時代の価値を創造・探究する姿勢)
・Responsibility(自己と集団の未来に対する責任を果たす姿勢)
・Diversity(多様化する社会の調和を希求する姿勢)
とする。(この資質能力を CReDi クレディと呼ぶ)
これらについての教職員間の共通理解を図り、それぞれの授業・取組において CReDi を具体的に身に付けるべきかを明確にしながら全教職員が一体となって指導にあたる。 - 中高一貫校としての特色を活かした指導
併設型中高一貫校としての特色を活かし、6 年間を見据えた教育活動を積極的に推進するとともに、中高一貫教育推進会議が中心となって更なる授業改善及び本校の特色ある教育活動の中心である EPA・EPⅠ・EPⅡや特別活動,道徳教育の検証及び改善を図る。 - 持続可能な西京であるための効率的・効果的で組織的な学校運営
教職員ができる限り生徒の教育に直接あたり、専門性を高めるための時間を確保するため、効果的・効率的で組織的な校務運営や教育のデジタル化を推進し、会議・連絡・事務処理等の時間短縮を図る。教職員のワーク・ライフ・バランスを考え,お互いの年齢・経験・諸条件を十分配慮した上での働き方が可能な職場づくりを教育委員会・PTA と協議しながらめざす。
指導の重点
社会人力を育成する活動を通して(Communication、Collaboration、Challenge)、求められる資
質能力(CReDi)を身につけようとする姿勢を育成する。
また、日々の指導の中で「自ら学ぶ力」「自ら律する力」「対話する力」「問題化する力」「多様性
を尊重する力」の育成を指導の重点とする。
- 社会で通用する規範意識と健やかな体の育成を図る指導・・・・「自ら律する力」「対話する力」
挨拶の励行、学習規律の徹底、基本的生活習慣の確立はもちろんのこと学級活動・HR 活動・生徒会活動・部活動等における生徒の主体的な活動を通して、生徒が望ましい人間関係を築き、集団の一員として協働する態度を育成するとともに心身の健やかな成長や健康の保持促進、安全に対する意識を高め、場と状況に応じた適切な意思決定を伴った行動ができるように中学生・高校生としての意識改革を図る。 - 主体的・対話的な学びに向かわせるための授業改善の推進・・・・「自ら学ぶ力」「対話する力」
生徒・教職員共に全ての教育活動の基本は「授業」であるという強い認識の下、授業を通して生徒と真のコミュニケーションを図ることができる、生徒が輝き、お互いに信頼感のある授業への改善を推進する。また、各授業は予習・復習の家庭学習を前提として行うことを教職員が共通認識するとともに生徒にも徹底させ,家庭学習と授業をつながり合わせながら計画的な支援により「主体的に学習に取り組む態度」及び「自ら学ぶ力」の育成に積極的に取り組む。 - 大学入試改革に対応した確かな学力をつけさせる指導・・・・・「自ら律する力」「自ら学ぶ力」
生徒の進路保障を最優先課題とし大学改革の状況を適切に分析しつつ,主体的・対話的で深い学びを重視した授業を通して必要な習得型学力を向上させ,一人一人の自己実現を確実なものとする。特に生徒との面談による指導と学習への振り返りを重視しながら,授業・学級活動・HR 活動等を通して組織的・計画的な進路指導・キャリア教育を行う。また,取り組んだ内容に関して効果検証を行い,課題が発生した場合その解決法を必ず見出し共有するものとする。 - SGH で得た知見を活用し更なるグローバルキャリア教育を推進する指導・・・・・・・「問題化する力」「対話する力」「多様性を尊重する力」
生徒一人一人が SGH で実践してきた中高のプログラムを通して,日常的に当たり前だと思っていることを批判的に捉え「問題化」し思考できる能力を育成する。また多様なパートナーと積極的な「対話」を行うことによって自らが変容できる指導をさらに推進する。SGH の研究指定を終えたが,この 5 年間で得た知見を持続可能な形で今年度の取組として移行する。 - 多様性を尊重し自他を大切にする態度を育成する指導・・「多様性を尊重する力」「対話する力」
国際交流・異文化交流を積極的に行うことによって,多様な文化背景を持つ人々を尊重できる態度を育てるとともに,京都・日本の伝統と文化の魅力を感じとり,それを国内外に広く発信できる力を育成する。そのような指導を通していじめはもちろん,SNS をはじめネットを介した誹謗中傷は絶対許されない人権侵害であることを強く認識させる。
カリキュラム
京都市立西京高等学校附属中学校の入学者募集・選抜について
定員:120人
通学区域:京都市内全域
選抜方法:
・適性をみる検査Ⅰ〜Ⅲ(思考力/判断力/独創性/表現力等を問うもの)
・報告書
・面接
※報告書、適性をみる検査、面接の結果から総合的に判断して、特に適性の高い志願者を合格者として決定します。
適性検査、面接以外に小学校で作成してもらう報告書も選抜で使用されます。
京都市立西京高等学校附属中学校の偏差値は?
京都市立西京高等学校附属中学校の偏差値は56(日能研:男子/女子)(日能研の偏差値)です。
公立中高一貫校は記述問題(作文含む)が多い適性検査であることや小学校から提出される報告書などで選考されるため、偏差値だけでは合格できるか判断できない面があります。
ただ日能研の偏差値からは私立中学受験をしている受検者の併願校のレベルを知る上で参考になります。
同じ偏差値56だと「関西学院」「智辯和歌山」「京都女子」「奈良学園」「大阪桐蔭」などがあります。
京都市立西京高等学校附属中学校の受検倍率は?
京都市立西京高等学校附属中学校(定員120人)の志願者が前年度比44人増の461人で、倍率は3.84倍でした。
開校初年度11.81倍という超高倍率や、それ以降も7~8倍の高倍率が続いた時期と比べると、ここ3年ほどは3倍台と倍率的には落ち着いていると言えます。
ただし、461人が志願して入学できるのは120人ですから341人はご縁が得られない難易度の高い受検であると言えます。
京都市立西京高等学校附属中学校の評判は?
京都市立西京高等学校附属中学校の「みんなの中学情報」での評価は京都府内170校中15位です。記載されている評判を見ると「進学実績/学力レベル」は京都府内で2位「いじめの少なさ」も同2位、「学習環境」と「学費」が同7位「治安/アクセス」が同9位と高い評価です。逆に「先生」同116位、「制服」70位と少し低めです。
京都市立西京高等学校附属中学校の進学実績は?
京都市立西京高等学校附属中学校の併設校である京都市立西京高等学校の令和4年度大学入試 合格状況としては京都大学に28名(医1名)、東京大学に2名など国公立大学に212名(医13名)が合格しています。詳細はコチラ
京都市立西京高等学校附属中学校への各塾の合格実績
京都市立西京高等学校附属中学校への各塾の合格実績では
- 世基学園:40名
- 京進:23名
- 洛西進学教室:17名
となっています。
京都市立西京高等学校附属中学校へのZ会/進研ゼミの合格実績
公立中高一貫校受検ではZ会や進研ゼミにも適性検査対策のオプション講座があり、京都市立西京高等学校附属中学校に22年はZ会9名、進研ゼミ7名が合格しています。
Z会や進研ゼミの単体受講だけでなく塾との併用も含まれると思いますがZ会では2022年からリニューアルで東京都立中(全校)や千葉県立中(千葉・東葛飾)などで出題される「長文読み取り問題」「複数の資料の読み取り問題」に対応する特別回も追加。志望校にあわせた対策が可能です。難解な出題形式に慣れ、限られた時間で正答にたどり着くためのトレーニングを行います。※5年生の8・12・3月号、6年生の10~12月号で出題します。
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京都市立西京高等学校附属中学校の過去問
まとめ
今回は、京都市立西京高等学校附属中学校の「特徴」「 偏差値」「進学実績」「塾や通信教育ごとの合格実績」などをご紹介しました。
※本記事は京都市立西京高等学校附属中学校や各塾などのホームページなどの情報をもとに作成しています。受検をご検討の方々はご自身で各ホームページの情報もご確認下さい。
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