これまで中学受験を勝ち抜き、高い学費を払わなければ受けられなかった中高一貫教育。
難関大学への合格者数を見ても中高一貫校が上位を独占してきました。
そんな実績がある中高6年間の一貫教育を一般の公立中学に通うのと大差のない費用で受けられる公立中高一貫校。
今回は、大阪府にある公立中高一貫校の偏差値の比較や受検倍率や推移、各校の過去問などをご紹介します。
大阪府 公立中高一貫校 偏差値ランキング【全3校】
大阪府の公立中高一貫校は2008年に大阪市立の咲くやこの花中学校が開校し、2017年に大阪府立富田林中学校が開校、2019年に大阪市立水都国際中学校が開校して3校となっています。
そして昨年、咲くやこの花と水都国際も府立となり、すべての学校が府立中学となりました。
中高一貫校は「中等教育学校」「併設型」「連携型」の3種類がありますが、大阪府の公立中高一貫校は、すべて「併設型」です。
そのため、中学だけでなく高校から進学してくる生徒もいます。
大阪府の公立中高一貫校はデーターソースがしっかりした偏差値が出ていません
公立中高一貫校の受検は作文問題など記述式問題が多いことと報告書(小学校で作成してもらう書類)などで選考されるため、偏差値で合否判定が出しづらいと言われます。
関東圏の公立中高一貫校の偏差値は「四谷大塚」や「首都圏模試」などがデータを公開してくれていますが、大阪府の公立中高一貫校の偏差値は掲載されていませんでした。「能開センター」や「日能研」など関西圏の中学の偏差値表にも公立中高一貫校の偏差値は掲載されていませんでした。
と言うことで日本最大級の私立中学校・国公立中高一貫校情報サイト「シリタス」によると
- 大阪府立富田林中学校:64
- 大阪府立咲くやこの花中学校:60
大阪府立水都国際中学校は「シリタス」にも掲載がありませんでした。。。
※ただ「シリタス」の偏差値はどのように算出されているのか、データの出所が開示されていないのでご注意ください。
偏差値から見る難易度
信頼度の高い偏差値データがないのですが、もともと公立中高一貫校の選考は「調査票(小学校から提出してもらう成績などのデータ)」や「記述問題が多い適性検査」で検査されるため偏差値のデータが参考程度にしかならない傾向があります。
「シリタス」では「大阪教育大学附属池田」が偏差値65に対して「大阪府立富田林中学校」は64、「大阪府立咲くやこの花中学校」が60となっています。
ちなみに四谷大塚の偏差値データに国立の「大阪教育大学附属池田」の偏差値は掲載されており女子が59、男子が56なので「大阪府立富田林中学校」や「大阪府立咲くやこの花中学校」も中学受験の偏差値としては50台前半から半ば程度だと思われます。
とは言え、私立中学とは受験の仕組みが異なるため、あくまで参考程度に見ておけば良いと思います。
高校の偏差値から考える
ちなみに高校の偏差値も参考までに調べてみました。
- 富田林高等学校:64
- 水都国際高等学校:58
- 咲くやこの花高等学校:51~55
となっていました。
データ参照:みんなの高校情報 大阪
応募倍率から見る難易度
大阪府の公立中高一貫校の募集定員は開校から今までずっと同じとなっており、男女の別もありません。
咲くやこの花については、受検コースが4つ(ものづくり、スポーツ、言語、芸術)に分かれており、各コース20名✕4=80名となっています。
受検倍率は最も高い「大阪府立水都国際中学校」が5.18倍と5倍を上回りました。2019年に募集を開始した時は6.34倍と高倍率でしたが年々倍率は下がり2022年は4.55倍でしたが2023年は2019年に次ぐ高倍率でした。
他の2校も2017年には5倍を超えていましたが2023年は4倍を下回りました。
ただし「富田林高等学校」「咲くやこの花高等学校」も倍率は下がっていますが、募集定員と受検者を見てみると募集定員80人と120人に対し受検者318人と302人なので200名以上がご縁がないという難易度の高い受検であることは変わりがありません。
公立中高一貫校の「入学者選抜」とは
同じ中学受験でも、公立中高一貫校と私立中高一貫校の入試とは大きく異なります。
「入学者選抜」と呼ばれる公立中高一貫校の入試では学力テストではなく、小学校の成績や活動の記録を反映させた「報告書」、筆記テストの「適性検査」で合否が判定されます。
ちなみに学力による選抜でなく、あくまで各校との適性を検査する選抜なので漢字も「受験」ではなく「受検」と書きます。
「適性検査」は、教科横断型で思考力や表現力を問う問題が多いのが特徴です。
文章(会話文が多いのも特徴です)やグラフ、資料などを読み、そこから思考をまとめて自分の言葉で表現する記述式の問題が多く出題されています。
公立中高一貫校受検では偏差値は参考程度に
公立中高一貫校の「入学者選抜」では、ペーパーテストである適性検査以外に小学校の成績や活動の記録を反映させた「報告書」が使用されます。
小学校の成績は「テストの結果(カラーテスト)」の結果から理解度なども見られますが「宿題や提出物」「授業態度」など結果だけでなく過程も見られています。
そのような「報告書」が選抜結果に影響を与えるわけです。
また、公立中高一貫校のペーパーテストである適性検査は作文をはじめとした記述問題が多いのが特徴です。適性検査の模試でも記述問題が出題されますが、記述問題は部分点もあるため模試を受ける度に偏差値が乱高下しました。
適性検査では読解力、思考力、問題解決能力、文章力などが問われます。これらは国数社理の教科テストと比べて数値化しづらい能力と言えます。
なので、偏差値は参考程度に考えるのが公立中高一貫校受検では良いと思います。
大阪府の公立中高一貫校の過去問
大阪府立富田林中学校
大阪府立水都国際中学校
大阪府立咲くやこの花中学校
大阪府にある公立中高一貫校全3校の詳細ページ
まとめ
今回は大阪府にある公立中高一貫校全3校の「偏差値ランキング」や「各校の過去問」などをご紹介しました。
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