東京都では公立小学校のクラスの7割以上が中学受験に挑戦するエリアもあるなど中学受験に挑戦するのが、当たり前になっている地域もあります、
生徒数が減少している中で、首都圏の中学受験人口は、いまだに増加しています。
ただ首都圏以外では、まだまだ中学受験に挑戦するのは限られた生徒さんだけという地域の方が多いと思います。
そんな中で、存在感を増しているのが公立中高一貫校です。
公立一貫校は一学年の人数が少ないため、合格者の数で見ると実績は目立ちませんが、合格率で見ると上位の公立高校、私立一貫校と比較しても遜色ない成果を上げています。
「プレジデントFamily 中学受験大百科2022」によると東京大、京都大、北海道大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大、東京工業大、一橋大、神戸大などの難関国立大学合格率(現役・浪人合計)は下記の通り高い成果を出しています。
宮城県からも仙台二華が5位、仙台青陵中教が10位と公立中高一貫校は3校しかありませんが、宮城県の公立中高一貫校は全国的にもレベルが高いと言えます。
- 県立千葉 31.3%
- 西京(京都)30.6%
- 小石川中教(東京)29.7%
- 並木中教(茨城)27.2%
- 仙台二華(宮城)24.9%
- 岡山大安寺中教(岡山)22.7%
- 札幌開成中教(北海道)19.2%
- 都立武蔵 18.9%
- 広島(広島)17.9%
- 仙台青陵中教17.6%
宮城県 公立中高一貫校 偏差値ランキング【全3校】
宮城県には2つの県立中高一貫校(宮城県仙台二華中学校、宮城県古川黎明中学校)と1つの仙台市立の中高一貫校(仙台市立仙台青陵中等教育学校)の計3つの公立中高一貫校があります。
県立中は入学時に宮城県内に在住、市立中は仙台市内に住所を有するご家庭のみが受検できます。
宮城県の公立中高一貫校はデーターソースがしっかりした偏差値が出ていません
公立中高一貫校の受検は作文問題など記述式問題が多いことと報告書(小学校で作成してもらう書類)などで選考されるため、偏差値で合否判定が出しづらいと言われます。
関東圏の公立中高一貫校の偏差値は「四谷大塚」や「首都圏模試」などがデータを公開してくれていますが、宮城県の公立中高一貫校の偏差値は掲載されていませんでした。
と言うことで日本最大級の私立中学校・国公立中高一貫校情報サイト「シリタス」によると
- 宮城県仙台二華中学校:64
- 仙台市立仙台青陵中等教育学校:58
- 宮城県古川黎明中学校:57
でした。
※ただ「シリタス」の偏差値はどのように算出されているのか、データの出所が開示されていないのでご注意ください。
偏差値から見る難易度
信頼度の高い偏差値データがないのですが、もともと公立中高一貫校の選考は「調査票(小学校から提出してもらう成績などのデータ)」や「記述問題が多い適性検査」で検査されるため偏差値のデータが参考程度にしかならない傾向があります。
受検倍率から見る難易度
2023年の応募倍率で見ると、最も受検倍率が高いのは宮城県仙台二華中学校の4.01倍となっており、仙台市立仙台青陵中等教育学校と宮城県古川黎明中学校は1倍台となっています。
宮城県仙台二華中学校の4.01倍は高倍率ですが、全国的には千葉県立東葛飾中学校の9.9125倍など5倍を超える倍率の学校が多いのが公立中高一貫校受検の特徴でもあります。
※ちなみに千葉県にある公立中高一貫校は全て5倍を超えています。
その点、最難関の宮城県仙台二華中学校でも4.01倍なのは全国的には倍率の面からだけでいえば難易度は高くはありません。
進学実績から見る難易度
進学実績から見ると宮城県仙台二華中学校が圧倒的な難関大学進学実績があります。
ただ驚いたのは、受検倍率が2倍を下回る仙台市立仙台青陵中等教育学校の進学実績です。
京都大学3名、東北大学17名など国公立に83名が合格しています。
※宮城県仙台二華中学校の()内は既卒生も含めた合格者数の合計
※宮城県古川黎明中学校のみ令和3年の合格実績(他の2校は令和5年)
公立中高一貫校の「入学者選抜」とは
同じ中学受験でも、公立中高一貫校と私立中高一貫校の入試とは大きく異なります。
「入学者選抜」と呼ばれる公立中高一貫校の入試では学力テストではなく、小学校の成績や活動の記録を反映させた「報告書」、筆記テストの「適性検査」で合否が判定されます。
ちなみに学力による選抜でなく、あくまで各校との適性を検査する選抜なので漢字も「受験」ではなく「受検」と書きます。
「適性検査」は、教科横断型で思考力や表現力を問う問題が多いのが特徴です。
文章(会話文が多いのも特徴です)やグラフ、資料などを読み、そこから思考をまとめて自分の言葉で表現する記述式の問題が多く出題されています。
公立中高一貫校受検では偏差値は参考程度に
公立中高一貫校の「入学者選抜」では、ペーパーテストである適性検査以外に小学校の成績や活動の記録を反映させた「報告書」が使用されます。
小学校の成績は「テストの結果(カラーテスト)」の結果から理解度なども見られますが「宿題や提出物」「授業態度」など結果だけでなく過程も見られています。
そのような「報告書」が選抜結果に影響を与えるわけです。
また、公立中高一貫校のペーパーテストである適性検査は作文をはじめとした記述問題が多いのが特徴です。適性検査の模試でも記述問題が出題されますが、記述問題は部分点もあるため模試を受ける度に偏差値が乱高下しました。
適性検査では読解力、思考力、問題解決能力、文章力などが問われます。これらは国数社理の教科テストと比べて数値化しづらい能力と言えます。
なので、偏差値は参考程度に考えるのが公立中高一貫校受検では良いと思います。
宮城県の適性検査の特徴
宮城県仙台二華中学校、宮城県古川黎明中学校の選抜方法
- 調査書
- 総合問題(筆記及び外国語(英語)のリスニング)(60分)
- 作文(40分)
- 面接
仙台市立仙台青陵中等教育学校の選抜方法
- 調査書
- 総合問題Ⅰ(筆記及び外国語(英語)のリスニング)(45分)
- 総合問題Ⅱ(40分)
- 作文(40分)
- 面接
宮城県の公立中高一貫校では英語のリスニング問題が出題されます。これは全国的にも、まだ少数ですが、今後増えてくることが予想されます。
宮城県の公立中高一貫校の過去問
宮城県仙台二華中学校、宮城県古川黎明中学校の過去問
仙台市立仙台青陵中等教育学校の過去問
宮城県の公立中高一貫校の塾ごとの合格実績
宮城県の公立中高一貫校の合格実績としては進学プラザと栄光ゼミナールの2強となっています。
宮城県の公立中高一貫校の通信教育の合格実績
宮城県仙台二華中学校はZ会、宮城県古川黎明中学校と仙台市立仙台青陵中等教育学校は進研ゼミが高い合格実績となっています。
Z会や進研ゼミの単体受講だけでなく塾との併用も含まれると思いますがZ会では2022年からリニューアルで東京都立中(全校)や千葉県立中(千葉・東葛飾)などで出題される「長文読み取り問題」「複数の資料の読み取り問題」に対応する特別回も追加。志望校にあわせた対策が可能です。難解な出題形式に慣れ、限られた時間で正答にたどり着くためのトレーニングを行います。※5年生の8・12・3月号、6年生の10~12月号で出題します。
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テキスト・過去問
公立中高一貫校受検では「国語」「算数」「理科」「社会」などの教科ごとの出題はありません。適性検査では科目の垣根を越えた教科複合型の出題となっています。
また出題範囲は「小学校6年間の学習内容」となります。あとはそれらを複合して考える「思考力、判断力、表現力」などが問われます。
頻出分野である「作文対策」「グラフなどのデータの読み取り」対策と「過去問」などに取り組むことが効果的です。
作文対策
グラフ
総合問題集
過去問
まとめ
今回は宮城県にある公立中高一貫校全3校の「偏差値ランキング」や「各校の過去問」などをご紹介しました。
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