この記事を最初に書いたのが2020年、娘の合格を受けて加筆したのが2022年でした。あれからさらに時が経ち、後輩ママ・パパから「今の倍率や進学実績はどうなの?」と聞かれることが増えたので、2023〜2026年度の最新データを追記しました。古い部分は当時の記録として残しつつ、ここから下は最新情報としてお読みください。
長女が2022年に中学受験(正確には公立中高一貫校受検予定なので中学受検)を計画しています。
前回は公立中高一貫校について調べたことをご紹介しましたが今回は私が住んでいる神奈川県の公立中高一貫校情報をご紹介します!
- 神奈川県の公立中高一貫校のことを知りたい方
- 神奈川県の公立中高一貫校の偏差値、受検倍率、進学実績、過去問のことなどを知りたい
- 神奈川県の公立中高一貫校への塾ごとの合格実績を知りたい方
神奈川県の公立中高一貫校情報
神奈川県には2009年に開校した県立相模原中等教育学校、県立平塚中等教育学校、2012年に開校した横浜市立南高校附属中学校、2014年に開校した川崎市立川崎高校附属中学校、2017年に開校した横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校の5校の公立中高一貫校があります。
県立相模原中等教育学校
- 募集地域:神奈川県内全域
- 募集定員:160名(男女 各80名)
- 検査方法:適性検査Ⅰ・Ⅱ・グループ活動(2021年度は中止)
- 開校年:2009年(2013年度までは県立相模大野高等学校と併設)
- 所在地:神奈川県相模原市南区相模大野4-1-1
- アクセス:相模大野駅徒歩10分
偏差値:
女子62:男子61(四谷大塚:合格可能性80%偏差値)
受験倍率:
6.35倍(2022年度(令和4年度)神奈川県教育委員会発表)
6.71倍(2021年度(令和3年度)神奈川県教育委員会発表)
6.88倍(2020年度(令和2年度)神奈川県教育委員会発表)
難関大学進学実績
相模原中等教育学校からは8期生(令和3年度卒業(令和4年3月卒業))から東京大学に5名(過年1名)、東京工業大学5名、横浜国立大学5名など計63名が国公立大学に合格しています。
また私立大学でも早稲田大学27名、慶應義塾大学19名、上智大学22名と難関私立大学に多くの合格者を輩出しています。
主要塾の合格実績
神奈川県立相模原中等教育学校に合格者を輩出している塾としては3年前は栄光ゼミナールが1位でしたが一昨年から臨海セミナーが1位になり、昨年も臨海セミナーが合格者を増やしています。
また適性検査対策コースを持たないSAPIXも13名の合格者を輩出しているのも特徴です。
| 塾名 | 合格者数(昨年比) |
| 臨海セミナー | 40(+2) |
| 栄光ゼミナール | 29(-8) |
| 中萬学院 | 24(+6) |
| 日能研 | 17(-3) |
| STEP | 16(+5) |
| SAPIX | 13(+6) |
| 早稲田アカデミー | 10(-6) |
| 湘南ゼミナール | 4(-5) |
| 栄光ゼミナール | 42 |
| 四谷大塚 | 38 |
| 臨海セミナー | 32 |
| STEP | 18 |
| 中萬学院 | 17 |
| 日能研 | 17 |
| 湘南ゼミナール | 13 |
| 早稲田アカデミー | 10 |
| SAPIX | 3 |
神奈川県公立中高一貫校の塾ごとの合格者数比較や塾選びの方法などは下記の記事でご紹介しています。
過去問
受験ガイド
県立平塚中等教育学校
- 募集地域:神奈川県内全域
- 募集定員:160名(男女 各80名)
- 検査方法:適性検査Ⅰ・Ⅱ・グループ活動(2021年度は中止)
- 開校年:2009年(設立告示2008年11月1日)
- 所在地:神奈川県平塚市大原1-13
- アクセス:JR平塚駅北口から徒歩で約30分
- ※その他バスもご利用いただけます
偏差値:
女子59、男子57(四谷大塚:合格可能性80%偏差値)
受験倍率:
4.71倍(2022年度(令和4年度)神奈川県教育委員会発表)
5.53倍(2021年度(令和3年度)神奈川県教育委員会発表)
5.14倍(2020年度(令和2年度)神奈川県教育委員会発表)
難関大学進学実績
平塚中等教育学校からは8期生(令和3年度卒業(令和4年3月卒業))から京都大学に1名、東京工業大学5名、横浜国立大学3名、横浜市立大学5名、一橋大学3名など計50名が国公立大学に合格しています。
また私立大学でも早稲田大学6名、慶應義塾大学3名、上智大学1名など難関私立大学にも合格者を輩出しています。私立だとGMARCHへの合格者数が多いです。
主要塾の合格実績
2022年の実績では中萬学院の1強です。
- 中萬学院:99名
- STEP:18名
- 臨海セミナー:17名
過去問
受験ガイド
横浜市立南高校附属中学校
- 募集地域:横浜市内全域(※学区外は定員の30%の範囲内)
- 募集定員:160名(男女 各80名)
- 検査方法:適性検査Ⅰ・Ⅱ
- 開校年:2012/04/01
- 所在地:横浜市港南区東永谷二丁目1-1
- アクセス:上大岡駅からバス約10分「南高校前」下車
- 港南中央駅からバス約7分「南高校前」下車
- 上永谷駅から徒歩15分
偏差値:
女子62、男子61(四谷大塚:合格可能性80%偏差値)
受験倍率:
5.15倍(2022年度(令和4年度)神奈川県教育委員会発表)
5.56倍(2021年度(令和3年度)神奈川県教育委員会発表)
4.93倍(2020年度(令和2年度)神奈川県教育委員会発表)
難関大学進学実績
横浜市立南高等学校からは令和3年度卒業(令和4年3月卒業)から東京大学6名(内1名は既卒生)、一橋大学7名、東京工業大学2名、横浜国立大学16名、横浜市立大学12名など計79名が国公立大学に合格しています。
また私立大学でも早稲田大学58名、慶應義塾大学29名、上智大学24名と難関私立大学に多くの合格者を輩出しています。
| 東大・京大 | 6 |
| 一橋・東工大・旧5帝大 | 11 |
| 国公立大学 | 48 |
| 早稲田・慶應・上智 | 77 |
| GMARCH | 210 |
| 海外大 | 5 |
| 年度 | 2019年度卒業生 |
主要塾の合格実績
2022年の実績では臨海セミナー、中萬学院、湘南ゼミナールがTOP3でした。
- 臨海セミナー:53名
- 中萬学院:49名
- 湘南ゼミナール:30名
| 臨海セミナー | 54 |
| 四谷大塚 | 44 |
| 中萬学院 | 42 |
| 湘南ゼミナール | 35 |
| 日能研 | 20 |
| 栄光ゼミナール | 15 |
| SAPIX | 4 |
| 早稲田アカデミー | 1 |
過去問
受検ガイド
横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校
- 募集地域:横浜市内全域
- 募集定員:80名(男女各40名)
- 検査方法:適性検査Ⅰ・Ⅱ
- 開校年:2017/04/01
- 所在地:横浜市鶴見区小野町6
- アクセス:JR鶴見線 鶴見小野駅 徒歩3分
偏差値:
女子65、男子63(四谷大塚:合格可能性80%偏差値)
受験倍率:
6.20倍(2022年度(令和4年度)神奈川県教育委員会発表)
6.44倍(2021年度(令和3年度)神奈川県教育委員会発表)
5.79倍(2020年度(令和2年度)神奈川県教育委員会発表)
難関大学進学実績
横浜サイエンスフロンティア高等学校からは令和3年度卒業(令和4年3月卒業)から東京大学1名、京都大学3名、東京工業大学8名、横浜国立大学16名、横浜市立大学17名など計116名(現役95名)が国公立大学に合格しています。
また私立大学でも早稲田大学25名、慶應義塾大学15名と難関私立大学にも合格者を輩出しています。
※2017年4月開校のため中高一貫校の実績ではありません。
主要塾の合格実績
2022年の実績では湘南ゼミナール、臨海セミナー、日能研がTOP3でした。
- 湘南ゼミナール:35名
- 臨海セミナー:16名
- 日能研:11名
| 湘南ゼミナール | 30 |
| 栄光ゼミナール | 14 |
| 四谷大塚 | 11 |
| 中萬学院 | 10 |
| 日能研 | 10 |
| 臨海セミナー | 9 |
| SAPIX | 8 |
| 早稲田アカデミー | 1 |
過去問
受検ガイド
川崎市立川崎高校附属中学校
- 募集地域:川崎市内全域
- 募集定員:120名
- 検査方法:適性検査Ⅰ・Ⅱ・面接
- 開校年:2014/04/01
- 所在地:川崎市川崎区中島3-3-1
- アクセス:川崎駅から徒歩20分
- 川崎駅からバス10分「市立川崎高校前」下車
- 港町駅から徒歩12分
偏差値:
女子57、男子55(四谷大塚:合格可能性80%偏差値)
受験倍率:
3.92倍(2022年度(令和4年度)神奈川県教育委員会発表)
3.93倍(2021年度(令和3年度)神奈川県教育委員会発表)
4.03倍(2020年度(令和2年度)神奈川県教育委員会発表)
難関大学進学実績
川崎市立川崎高校からは令和3年度卒業(令和4年3月卒業)から京都大学1名、大阪大学1名、九州大学2名、横浜国立大学1名、横浜市立大学1名など計27名(現役22名)が国公立大学に合格しています。
私立大学では、早慶上理47名、MARCH112名の合格者を輩出しています。
| 東大・京大 | 1 |
| 一橋・東工大・旧5帝大 | 2 |
| 国公立大学 | 21 |
| 早稲田・慶應・上智 | 34 |
| GMARCH | 72 |
| 海外大 | 0 |
| 年度 | 2019年度卒業生 |
主要塾の合格実績
2022年の実績では臨海セミナー、日能研、栄光ゼミナールがTOP3でした。
臨海セミナー:47名
日能研:16名
栄光ゼミナール:14名
| 臨海セミナー | 46 |
| 栄光ゼミナール | 29 |
| 四谷大塚 | 20 |
| 湘南ゼミナール | 12 |
| 中萬学院 | 9 |
| 日能研 | 4 |
| 早稲田アカデミー | 1 |
過去問
受験対策ガイド
【2025年3月加筆】最新データで見る神奈川県の公立中高一貫校(2023〜2026年度版)
まず全体感として、開校当初は11倍前後もあった各校の受検倍率は、私が記事を書いた頃(6〜7倍台)よりもさらに落ち着いてきています。私立中学受験の選択肢が広がったことや、少子化の影響もあり、5校全体の受検倍率は2024年度・2025年度と4倍台前半で推移しています。とはいえ神奈川県の公立高校入試の平均倍率(1.2倍前後)と比べると依然として非常に高く、狭き門であることに変わりはありません。
5校の受検倍率の推移(教育委員会発表・2/3受検者数ベース)
各校とも、以前ご紹介した2020〜2022年度の高倍率からは緩やかに低下傾向にあります。最新の受検倍率は次の通りです。
| 学校名 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 |
|---|---|---|---|---|
| 県立相模原中等教育学校 | 5.84倍 | 5.10倍 | 5.10倍 | 4.48倍 |
| 県立平塚中等教育学校 | 4.13倍 | 3.80倍 | 3.80倍 | 3.42倍 |
| 横浜市立南高校附属中学校 | 5.41倍 | 4.72倍 | 4.72倍 | 4.67倍 |
| 横浜サイエンスフロンティア高校附属中学校 | 4.60倍 | 4.25倍 | 4.25倍 | 4.68倍 |
| 川崎市立川崎高校附属中学校 | 3.95倍 | 4.01倍 | 4.01倍 | 3.78倍 |
(※倍率は各年度の教育委員会発表資料および中萬学院・カナガク等のまとめによる。年度により志願倍率/受検倍率の集計基準が異なる場合があります)
注目したいのは2026年度で、これまで長らく県内トップの人気だった相模原中等が4.48倍まで下がった一方、横浜サイエンスフロンティア附属が4.68倍と過去数年で相対的に高くなり、南附属と並ぶ人気校になってきた点です。相模原中等・平塚中等の県立2校は、2022年度以降に男女別定員を廃止しており(横浜サイフロ附属・南附属は2023年度〜)、この点も昔の記事から変わったポイントです。
難関大学進学実績の最新状況(2025・2026年度卒業生)
各校とも中高一貫教育が定着し、進学実績はさらに伸びています。特に相模原中等の東大・京大合格者数の伸びが顕著です。以下は2026年度(2026年春卒業)の主なデータです。なお、旧「東京工業大学」は「東京科学大学」に統合されているため、最新データでは東京科学大学として表記されています。
県立相模原中等教育学校は、2026年度に東大・京大13名(うち東大10名)、一橋・東京科学大・旧帝大クラス21名、国公立大学計71名、早慶上智124名、GMARCH196名、医学部医学科19名という、県内公立中高一貫校でも突出した実績を残しました。私立でも明治大学77名、早稲田大学56名、東京理科大学56名など層の厚さが際立ちます。
横浜市立南高校附属中学校は、2026年度に東大・京大6名、一橋・東京科学大・旧帝大クラス15名、国公立大学計77名、早慶上智76名、GMARCH179名でした。横浜国立大学14名など、地元難関国公立への強さは相変わらずです。
横浜サイエンスフロンティア高校附属中学校は、2026年度も理系に強い校風を反映し、国公立大学・医学部への合格者が目立ちます。東京科学大(医)2名、横浜市立大(医)2名をはじめ医学部医学科の合格者を多数輩出し、電気通信大学8名、東京農工大学6名など理工系国公立への進学が豊富です。海外大学への合格者も継続的に出ています。
県立平塚中等教育学校は、2026年度に東大・京大6名(うち東大5名)、国公立大学計40名、早慶上智58名、GMARCH107名、医学部医学科9名でした。2024年度に東大6名を出すなど、県立相模原に次ぐ実績を安定して残しています。
川崎市立川崎高校附属中学校は、2026年度に東京科学大7名、東北大3名など理系国公立で健闘し、国公立大学計39名、早慶上智33名、GMARCH124名でした。5校の中では大学入試実績はやや控えめですが、MARCH以上への合格者は着実に増えています。
主要塾の合格実績(2025年度入試)
塾別の勢力図も、以前ご紹介した頃から少し動きがあります。県立2校(相模原・平塚)と川崎附属では、地元の中萬学院と臨海セミナーが引き続き強く、STEP(ステップ)が県立中等で存在感を増しています。2025年度入試の主な塾別合格者数は以下の通りです。
相模原中等教育学校(2025年度)は、臨海セミナー47名、STEP31名、中萬学院21名、四谷大塚15名、日能研14名と続きます。以前は栄光ゼミナールが1位でしたが、近年は臨海セミナーが安定してトップを走っています。
平塚中等教育学校(2025年度)は、中萬学院91名の圧倒的1強で、臨海セミナー28名、STEP18名が続きます。地元密着の中萬学院の強さが際立つのは以前と変わりません。
横浜市立南高校附属中学校(2025年度)は、臨海セミナー54名、中萬学院45名、湘南ゼミナール32名がTOP3。横浜市内の3塾がしのぎを削る構図です。
横浜サイエンスフロンティア高校附属中学校(2025年度)は、湘南ゼミナールと臨海セミナーがともに24名で並び、四谷大塚・日能研が各10名、中萬学院9名と続きます。理系適性検査対策に強い塾が上位に来ています。
川崎市立川崎高校附属中学校(2025年度)は、臨海セミナー56名が突出しており、中萬学院14名、湘南ゼミナール9名が続きます。川崎エリアでの臨海セミナーの強さが目立ちます。
こうして最新のデータを並べてみると、倍率は少し落ち着いたとはいえ、どの学校も相変わらず魅力的で人気ですね。数字は毎年変わりますが、「自分の意見を理路整然と論理的に表現する力」を問う適性検査の本質は変わりません。この記事の最初に書いた作文対策や子供新聞の話は、今の受検生にもそのまま当てはまると思います。しっかり準備して、悔いの残らない受検にしてほしいと願っています。
まとめ
今回は私が住んでいる神奈川県の公立中高一貫校情報をご紹介しました。
どの学校も魅力的ですが受験倍率が高いですね…💦
本当に受検倍率は高いですよね。
適性検査当日に自己採点した時には適性検査Ⅱがかなり厳しくて、ダメかな…とも思いました。
ちなみに公立中高一貫校の適性検査には作文問題が出題される事が多いです。
自分の意見を理路整然と論理的に表現する力が必要になります。
この力は一朝一夕では身につきません。
作文対策として塾の先生から薦められたのが「子供新聞」の購読です。
うちの娘は読書が好きで文章を読む習慣がありますが物語が中心です。新聞を読むことで、普段は興味のない社会情勢に文章で触れる機会を持つ事も出来ます。
しっかり準備して悔いの残らない受験にして欲しいと思います。
まずは公立中高一貫校受検の準備をした1年間は本当に密度の濃い1年でした。
適性検査当日の自己採点で「これは難しいか…」と思った時も公立中高一貫校に挑戦して良かったねと親子で話したほどです。
で、実際に入学してみて改めて入学できて良かったなと感じています。
受検倍率も高く簡単な挑戦ではないですが、有意義な挑戦だと思います!
集団塾だけに頼らない ― 「集団塾+個別指導」という選択肢
ここまで塾別の合格実績を見てきましたが、最後に、2人の子どもの受検を経験した今だからこそ言える「集団塾との付き合い方」について書いておきたいと思います。
我が家は、娘が栄光ゼミナール、息子がenaという集団塾に通いました(息子のenaは、我が家が東京都との県境に住んでいて、隣駅の東京側にenaがあったためです。息子も神奈川県の公立中高一貫校を受検しました)。結論から言うと、集団塾に通わせたこと自体は間違いではありませんでした。適性検査対策のカリキュラムや情報量という点で、専門コースを持つ集団塾は非常に頼りになります。公立中高一貫校を目指すなら、まずはこうした集団塾を軸に据えるのが王道だと思います。ただ、「塾に任せきり」ではうまくいかなかったのも事実です。
集団塾で得たものを「どう自分のものにするか」でつまずきかけました。ここを個別のサポートで補うという考え方に、最終的にたどり着きました。
季節講習は「受けっぱなし」が一番もったいない
娘は栄光ゼミナールで夏期講習・冬期講習・春期講習といった季節講習や「栄光の森」(夏合宿)に参加しました。まず、これら季節講習そのものは受けて良かったと思っています。各塾がそれまでに培ってきたノウハウが凝縮されていて、短期間で一気に力を伸ばせる貴重な機会です。ここは集団塾の強みが最も発揮される場面だと感じます。
ただ、一つだけ強く言いたいのは、季節講習を「受けっぱなし」にしないことです。授業を受けただけで満足してしまうと、せっかくのノウハウも定着しません。大事なのは、その日にやった内容をしっかり復習して、自分のものにすること。これができるかどうかで、季節講習の成果は大きく変わってきます。
これは我が家の正直な感想ですが、高額な合宿に参加するくらいなら、その費用と時間を「季節講習の復習」に充てたほうが効果は高いのではないか、とも思っています。合宿には合宿にしか得られない良さ(受検生としての自覚や仲間との刺激など)もありますが、こと「学力を伸ばす」という一点で見れば、家庭教師などにマンツーマンで復習・定着させてもらうほうが、費用対効果は高いと感じました。つまり、集団塾で得たインプットを、いかにして自分のものにするか。ここに個別のサポートを組み合わせるのが、私がたどり着いた考え方です。
集団塾に通うだけで安心してはいけない ― 「補完」の視点
実際に2人の受検を経験して痛感したのは、集団塾には構造的にどうしても手が届きにくい領域がある、ということです。大きく3つあります。
一つ目は「一人ひとりのつまずきの分析」です。集団授業ではクラス全員に同じ解説をするため、「自分の子がどこでつまずいているのか」を個別に特定してもらうのは難しいのが実情です。
二つ目は「記述・作文の添削の量と深さ」です。適性検査は記述式が中心ですが、集団塾では一人あたりの添削にかけられる時間に限りがあります。娘が通った栄光ゼミナールも、息子が通ったenaも、作文添削が「誤字に×が書いてあるだけ」だったように、自分の答案が採点官にどう伝わるかは、第三者に細かく見てもらわないと客観視できません。
三つ目は「過去問演習期(小6秋以降)のピンポイントなフォロー」です。志望校の傾向に合わせた苦手分野の集中対策は、どうしても個別対応が必要になります。直前期の過去問演習は、娘の時は私と妻でサポートしましたし、息子の時はオンライン家庭教師の先生にお願いしました。
こうした「集団塾では補いきれない部分」を埋める手段として、近年は集団塾と個別指導・家庭教師を併用するご家庭が増えています。以下、私が実際に話を聞いたり運営したりしている2つの選択肢を紹介します。
「東大家庭教師友の会」を運営する株式会社トモノカイのPersonal Education(PE)部門(帰国子女やインターナショナルスクール生向けオンライン家庭教師「EDUBAL」(業界シェアNo.1)や、「東大家庭教師友の会」を運営する部門)で「オンライン東大家庭教師友の会」を担当されている方とお話させていただく機会がありました。
「オンライン東大家庭教師友の会」では、集団塾の授業や模試だけでは補いきれない「苦手分析」「記述添削」「勉強の型づくり」を、東大生・難関大生教師がマンツーマンでフォローしてくれるサービスもおこなっているとのことです。東京都最難関校「小石川中等教育学校」、国立の東大教育学部附属中、筑波大附属中などへの合格サポート実績があるとのことで、集団塾のカリキュラムと並行して弱点部分だけを補強したいご家庭に向いていると思います。
先日、このサービスで都立中高一貫校の適性検査対策を担当されている方から、対策のポイントを詳しくお聞きする機会がありました。以下は東京都立中を目指すご家庭に向けたお話で、神奈川の受検とは志望校が異なりますが、「記述力」「勉強の型」といった適性検査対策の勘所そのものは神奈川の公立中高一貫校受検にもそのまま通じる内容でした。長くなりますが、非常に参考になったので共有します。
公立中高一貫校の適性検査対策 ― 合否を分ける「記述力」と「勉強の型」
公立中高一貫校の受検は、かつての爆発的な人気に沸いた時期と比べると、近年は倍率が明確に落ち着いてきています。
制度が始まった当初(都立の適性検査は2005年スタート)は、対策法が確立しておらず「とりあえず受けてみよう」という記念受験組も多かったため、倍率は非常に高いものでした。都立第一号として2005年に中学入試を実施した白鷗高校附属中の初年度倍率は、実に13.21倍に達しています。その後も人気は続き、2015年前後の都立各校の受検倍率は6〜8倍台がずらりと並んでいました(2015年は白鷗8.32倍、両国7.18倍、桜修館6.76倍など)。
しかし、受検対策のノウハウが各塾で確立され、「相応の準備をしなければ受からない」というハードルの高さが広く知られるようになったこと、いわゆる記念受験層が減ったことなどから、倍率はここ数年で着実に低下してきました。2024年度には都立各校の受検倍率は最も高い九段でも4.58倍、平均では3.5〜3.6倍程度まで下がり、2025年度・2026年度も一般枠の応募倍率は平均3.5倍前後で推移しています。
ただし、この「倍率低下」は必ずしも合格しやすくなったことを意味しません。むしろ、記念受験の層が抜けて、しっかり準備してきた受検生が残るようになった結果でもあり、実質的な競争の質は下がっていないとも言われます。しかも公立中高一貫校は原則として一校しか受検できず、検査はすべて同日に実施されるため、限られたチャンスで確実に力を発揮する準備が欠かせません。
「オンライン東大家庭教師友の会」では、都立中高一貫校(白鷗、両国、小石川、桜修館、武蔵など)や、適性検査型入試を導入している国立中高一貫校(東京大学教育学部附属中等教育学校など)の受検を目指す小学5年生〜6年生を数多く指導してきました。公立一貫校に特化した大手進学塾(enaなど)の集団授業や合判模試のフォロー、そして「過去問演習期(小6の秋以降)」における記述・算数・作文のピンポイント添削・苦手分析指導で多くのご家庭に選んでいただいてきました。
この記事では、これまでの指導で見えてきた適性検査対策の勘所を、具体的なエピソードを交えてお伝えします。
まず押さえたい ― 適性検査は「私立入試」とはまったく別物
都立中受検対策をご説明する前に理解していただきたいのが、適性検査は私立中学の教科型入試とは求められる力が根本的に異なる、という点です。私立入試が国語・算数・理科・社会の教科ごとの知識と処理力を問うのに対し、公立一貫校の適性検査は、会話文や資料・グラフを読み取り、複数教科の知識を総合して「自分の考えを筋道立てて説明する」教科横断型の出題が中心になります。
多くの都立校では、検査が次の3つに分かれています。
適性検査Ⅰ
適性検査Ⅰは主に文章読解と400字前後の作文で、読み取る力と自分の考えを表現する力が問われます。
適性検査Ⅱ
適性検査Ⅱは表・グラフ・会話文など複数の資料を読み解き、理由を述べたり数値で裏付けたりする論理的思考の問題です。
適性検査Ⅲ
そして適性検査Ⅲ(実施校は一部)は、複雑な条件設定の中で図や計算を使って考える数理・条件整理の力を問います。小石川中等のように理数系の独自問題に強い学校、桜修館のように適性Ⅰの作文の比重が大きい学校など、学校ごとに配点や傾向が大きく異なるため、志望校の出題傾向を早めに把握することが第一歩となります。
いずれの検査に共通するのは、私立入試のような単純な○×の知識問題がほぼないということです。「なぜその式になるのか」「なぜその実験結果になるのか」を、言葉や図で採点官にわかりやすく伝える記述力こそが合否を分けます。
適性検査Ⅰ(文系・表現分野)― 「構成メモ」の確立とケアレスミス対策
文章を読んで自分の意見をまとめる作文は、多くの受検生が最初につまずくところです。ある生徒も、当初はアイデア出しや文章の組み立てに苦戦していました。加えて、国語の長文読解の「抜き出し問題」で、細かい誤字・脱字による失点が課題になっていました。
このとき担当教師がまず徹底したのが、集団塾の模試をベースにした「作文の構成メモ」の書き方です。いきなり原稿用紙に書き始めるのではなく、メモの段階でアイデアを整理してから書く習慣をつけました。あわせて、文章の趣旨を正確につかむために「文章の中で一番言いたい一文に線を引く練習」を繰り返し行いました。
抜き出しミスや誤字ミスについては、教師が一方的に注意するのではなく、「ミスを無くすために自分でリマインドのルールを決めてもらう」というアプローチを取りました。ミスを他人に指摘されて直すのではなく、自分でチェックの仕組みを持つことで、本番でも再現できる自立的な意識が育ちます。
構成メモがすっかり板についたことで、「メモを元にスムーズに書き切る型」が確立され、これが本人の大きな自信になりました。塾の日曜特訓の適性Ⅰでは「60点(誤字がなければ70点)」という高得点を獲得し、合判模試でも手応えを実感できるレベルまで文系の表現力が引き上がりました。
適性検査Ⅱ・Ⅲ(理系・融合分野)― 問題文の読み取りと「部分点をもぎ取る記述のコツ」
算数・理数分野の適性検査(適Ⅱ・適Ⅲ)に強い苦手意識を持つ受検生は少なくありません。ある生徒も、問題文の量が多く一見難しそうに見える立体図形や条件整理の問題で、問題文を正確に読み解けずに記述で苦戦していました。集団塾では一人ひとりが「どこでつまずいているか」の分析まで手が回りにくいため、教師は次のような個別対策を行いました。
まず、夏期講習でわからなかった問題を徹底的に洗い出し、「グラフや表の数値を式に書き換えていく作業」を隣で一緒に実践しました。一見難解に見える問題も、「落ち着いて条件を読み解けば難しくない」ことを体感させるのが狙いです。
そのうえで、理数の記述で確実に部分点をもぎ取るために、教師が汎用的な「実験系記述のコツ」を伝えました。ポイントは次の3つです。
- 数字(実験結果)や、上下左右・東西南北などの客観的な情報を用いて説明する
- 変化を説明するときは「変化前 → 変化後 → 前後の差と理由」の3ステップの順序で書く
- 一文を短く簡潔にし、書いた図には必ず言葉で説明を加える
授業では、解説をただ聞く受け身の姿勢にさせず、「どうしてこの解き方になるのか、口頭で説明してみて?」と問いかけ、能動的な思考プロセス(言語化)を徹底させました。自分の言葉で説明できることは、記述で採点官に伝わる答案を書けることと直結します。
「グラフと表」の演習を徹底的に3周やりきったことで計算速度が劇的に向上し、一つ教えればすぐに本質を理解できるまで理系脳が覚醒。苦手意識のあった算数分野を「楽しい!」と感じられるまでマインドが変化しました。本番直前には、レベルの高い「サイコロの立体図形問題」のような実戦的な初見問題に対しても、持ち前の空間想像力を発揮して短時間で自力で解き明かせるほど、思考力・記述力が大きく開花しました。
総括 ― 高倍率を突破するための「正しい勉強のやり方」
これまでの指導から見えてきた、公立・国立一貫校の適性検査対策における最大の注意点は2つあります。
一つは、集団塾のカリキュラムをこなすだけで満足せず、解いた過去問を「その日中」に必ず復習・解き直しすること。もう一つは、記述のプロセスを第三者に細かく添削してもらうことです。適性検査は記述式が中心である以上、自分の答案が採点官にどう伝わるかは、自分一人ではなかなか客観視できません。
前述のとおり、適性検査には単純な知識問題がほぼありません。「なぜその式になるのか」「なぜその実験結果になるのか」を言葉や図でわかりやすく伝える記述力が合否を分けます。だからこそ、夏休みのうちに自分なりの「勉強ルーティン」を確立し、10月・11月の綿密な学習計画を先回りで立てておくことが重要になります。
集団塾での学びを土台にしながら、一人ひとりのつまずきに合わせて「正しい勉強のやり方の型」を授け、受け身ではない能動的な思考力を育てること。これこそが、高倍率の公立・国立一貫校受検を突破する最大の鍵です。
指導・合格実績
これまで、東京都立小石川中等教育学校、東京大学教育学部附属中等教育学校、筑波大学附属中学校をはじめとする公立・国立一貫校への合格をサポートしてきました。集団塾の授業や模試だけでは補いきれない「苦手分析」「記述添削」「勉強の型づくり」の部分を、東大生・難関大生教師がマンツーマンでお手伝いします。適性検査対策にお悩みのご家庭は、ぜひ一度ご相談ください。
\まずは70分体験授業がオススメ!/
70分体験授業の予約 資料請求は公式サイトから
コメント