令和4年度(2022年度)の公立中高一貫受検が終わって2か月が経過しました。
2023年受検も振り返りながら2023年3月に追記しています。
2024年受検も振り返りながら2024年3月に追記しています。
うちがある神奈川県の公立中高一貫校に関して調べた内容を記事にしたので、茨城県の公立中高一貫校に関しても最新の情報を調べてみました。
茨城県は公立高校改革の一環として公立中高一貫校を増やしており、2022年現在で東京都を抜いて全国の都道府県で最も公立中高一貫校が多い都道府県です。県内トップの進学校を公立中高一貫校化するなど注目です。
茨城県の公立中高一貫校
茨城県には、「茨城県立水戸第一高等学校附属中学校」「茨城県立土浦第一高等学校附属中学校」「茨城県立並木中等教育学校」「茨城県立日立第一高等学校附属中学校」「茨城県立古河中等教育学校」「茨城県立太田第一高等学校附属中学校」「茨城県立鉾田第一高等学校附属中学校」「茨城県立鹿島高等学校附属中学校」「県立竜ヶ崎第一高等学校附属中学校」「茨城県立下館第一高等学校附属中学校」「茨城県立勝田中等教育学校」「茨城県立下妻第一高等学校附属中学校」「茨城県立水海道第一高等学校附属中学校」と全国の都道府県で最多の13校の公立中高一貫校があります。
学校名 | 住所 | 最寄り駅 | 募集定員 |
茨城県立並木中等教育学校 | 茨城県つくば市並木4-5-1 | ・「荒川沖駅」西口4番のりば出口より [関東鉄道バスつくばセンター行]行バス乗車 「学園並木バス停」下車 ・「土浦駅」西口3番のりば出口より [関東鉄道バス水海道駅・谷田部車庫行]行バス乗車 「学園並木バス停」下車 ・「つくば駅」A4出口4番のりば出口より [関東鉄道バス荒川沖駅行]行バス乗車 「学園並木バス停」下車 | 160 人(男女各 80 人程度) |
茨城県立日立第一高等学校附属中学校 | 茨城県茨城県日立市若葉町3-15-1 | JR常磐線「日立駅」より徒歩15分 | 80 人(男女各 40 人程度) |
茨城県立古河中等教育学校 | 茨城県古河市磯部846 | 茨城県立古河中等教育学校のホームページにはスクールバスの運行については平成30年度は下記の5方面7コースでの運行を行っていたと記載があります。 ※スクールバの運賃は、利用者の状況やその他の運行条件をもとに、毎年見直しを行うことになります。 ※スクールバスは、保護者団体であるスクールバス運行運営会とバス会社との契約によって運行されます。運賃は国土交通省の新運賃制度のもと、学校からの距離を考慮して設定されます。 (1)古河市内方面 古河市内~学校 古河市大山 → 古河四小前 → 坂間 → 鴻巣 → 長谷町 → 本町 → 松並 → 三杉町→ 東本町 → 古河駅東口 → 旭町 → 学校 (2)坂東市・境町方面 坂東市・境町~学校(坂東・境①コース) 坂東市小山→ 長谷 → 岩井 → 鵠戸 → 長須→ みむら → 境町伏木 → 大歩 → 学校 坂東市・境町~学校(坂東・境②コース) 坂東市矢作 → 中里 → 辺田 → 大山 → 岩井 → 弓田 → 沓掛 → 生子 → 学校 坂東市・境町~学校(坂東・境③コース) 坂東市山 → 菅谷 → 境町山崎 → 蛇池 → 松岡町 → 塚崎 → 学校 (3)下妻・八千代方面 下妻市・八千代町~学校 下妻市宗道 → 田下 → 下妻駅東口 → 長塚 → 八千代町今里 → 沼森 → 若 → 村貫→平塚 → 坂東市逆井 → 古河市東山田→ 学校 (4)結城市方面 結城市~学校 結城駅南口 → 新福寺 → 結城 → 結城作 → 田間 → 平間 → 今宿 → 東茂呂→ 北南茂呂 → 下七五三場 → 古河市諸川 → 下片田 → 上大野 → 小堤 → 学校 (5)筑西市方面 筑西市~学校 下館駅南口 → 玉戸 → 布川房山 → 舟生 →下妻市江 → 黒駒 →八千代町高崎 → 久下田 → 佐野→ 古河市東間中橋 → 尾崎 → 恩名 → 仁連 → 学校 | 120 人(男女各 60 人程度) |
茨城県立太田第一高等学校附属中学校 | 茨城県常陸太田市栄町58番地 | ・JR水郡線「常陸太田」徒歩25分 ・スクールバスを運行 | 40 人(男女各 20 人程度) |
茨城県立鉾田第一高等学校附属中学校 | 茨城県鉾田市鉾田1090-2 | ・新鉾田駅 徒歩11分 | 40 人(男女各 20 人程度) |
茨城県立鹿島高等学校附属中学校 | 茨城県鹿嶋市城山2-2-19 | ・JR鹿島神宮駅 徒歩9分 | 40 人(男女各 20 人程度) |
茨城県立竜ヶ崎第一高等学校附属中学校 | 茨城県龍ケ崎市平畑248 | 「佐貫駅」(龍ケ崎市駅)→「竜ヶ崎駅」下車徒歩約17分 「龍ケ崎市駅東口」(魚民前の道路を挟んだ向かい側)→「中曽根」下車徒歩約5分 | 40 人(男女各 20 人程度) |
茨城県立下館第一高等学校附属中学校 | 茨城県筑西市下中山590 | ・JR水戸線 下館駅 徒歩13分 | 40 人(男女各 20 人程度) |
茨城県立水戸第一高等学校附属中学校 | 茨城県水戸市三の丸3-10-1 | ・JR水戸駅 徒歩10分 | 80 人(男女各 40 人程度) |
茨城県立土浦第一高等学校附属中学校 | 茨城県土浦市真鍋四丁目4番2号 | ・土浦駅から自転車15分、バス10分 ・つくば駅からバス28分 | 80 人(男女各 40 人程度) |
茨城県立勝田中等教育学校 | 茨城県ひたちなか市足崎1458 | 勝田駅東口から、専用のスクールバスが出ています。J R勝田駅~勝田中等教育学校(約10分)または、路線バス(茨城交通)の「足崎団地行き」に乗車し、「勝田高校前」で下車してください。乗車時間は約10分です。 | 120 人(男女各 60 人程度) |
茨城県立下妻第一高等学校附属中学校 | 茨城県下妻市下妻乙226-1 | 下妻駅 徒歩4分 | 40 人(男女各 20 人程度) |
茨城県立水海道第一高等学校附属中学校 | 茨城県常総市水海道亀岡町2543 | 水海道駅[出口]から徒歩約8分 | 40 人(男女各 20 人程度) |
公立中高一貫校とは
公立中高一貫校は、1999年文部科学省が学校教育法を一部改正し、中学校・高等学校の6年間の中等教育を計画的・継続的な教育指導により個性や創造性を伸ばし、幅広い年齢層の生徒が6年間一緒に学校生活を送る中で社会性や豊かな人間性を育む教育を進めることを目的に設立された学校です。
公立中高一貫校が開校するまでは私立の中高一貫校などでしか受けられなかった質の高い中高一貫教育を経済的負担が比較的少ない公立校でも受けられるようになりました。
茨城県に公立中高一貫校が急増した背景
茨城県に公立中高一貫校が増えた経緯
茨城県の大井川和彦知事が19年2月の記者会見で19年度当初予算案の「県立高校改革プラン」に一貫校の拡大方針を公表したことから茨城県の公立中高一貫校が急増しました。
茨城県が中高一貫校化した10校はいずれも県内各地域の進学校で、旧制第一中学の流れをくむ水戸一高や土浦一高といった県を代表するトップ校も含まれています。土浦一高と水戸一高は東大合格者数でも県内で伯仲してきました。ともに高校名は元のままに、21年から中学募集を始めて「水戸第一高校付属中学校」「土浦第一高校付属中学校」が併設されました。
茨城県が公立中高一貫校を増やした理由
茨城県教育委員会が一貫校化に踏み切った理由については、「豊かな人間性と起業家精神を兼ね備えた地域のリーダーや、世界で活躍する人材を育成するため」としています。高校受験の勉強に追われることなく、6年間の一貫教育で時間的なゆとりを生み出すことで「詰め込み式」ではなく、国際化教育や探究活動につながるカリキュラムを計画的に実施できると考えたのだという。
茨城県が公立中高一貫校を増やした背景
公立中高一貫校を増やした背景としては先行実施した3校の人気が高かったことも後押しになったようです。08年に初めて茨城県立中高一貫校となった並木中等教育学校(つくば市)は、先進的な理数教育を行う文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール」(SSH)の指定を受け、結果的に難関国公私立大への合格者が増えたことで人気が高まったようです。
茨城県内の保護者からは「県立中高一貫校の充実した教育を子どもに受けさせたいが、3校しかなく、3校とも遠くて通えない」といった声が多く寄せられたようです。そこで茨城県教育委員会は、居住地域によって不公平が生じることを防ごうと、各地域の進学校を一貫化の対象としたようです。
素晴らしい判断だと思います。
神奈川県も公立中高一貫校をもっと増やせば良いのにな。
茨城県 公立中高一貫校受検の倍率
令和6年度(2024年度)
2024年の受検倍率をみると最も倍率が高かったのは2023年と同じく「県立水海道第一高等学校附属中学校」でした4.18倍から4.33倍へと更に倍率が上がっています。
他にも「県立水戸第一高等学校附属中学校」「県立土浦第一高等学校附属中学校」「県立並木中等教育学校」「県立竜ヶ崎第一高等学校附属中学校」「県立鉾田第一高等学校附属中学校」「県立太田第一高等学校附属中学校」では倍率が上がっています。
令和5年度(2023年度)
令和5年度(2023年度)の茨城県公立中高一貫校の受検倍率は1.23倍~4.18倍と幅があります。全国の公立中高一貫校と比較すると倍率は落ち着いていると言えます。
県内の最難関高校の附属である「水戸第一高校付属中学校」や「土浦第一高校付属中学校」が中高一貫校化されていることを考えると、もっと倍率が高くても不思議ではありません。
ちなみに「水戸第一高校付属中学校」は定員80名に対して286名、「土浦第一高校付属中学校」も定員80名に対して233名が受検しているので難易度が高い受検であると言えると思います。
ただし千葉県だと「千葉県立東葛飾中学校」の受検倍率は9.68倍(2023年:2022年は10倍を超えていたので2023年は少し倍率が下がったのですが9.68倍です、その他「千葉県立千葉中学校」7.05倍などです)
令和4年度(2022年度)
令和4年度(2022年度)の茨城県公立中高一貫校の受検倍率は1.23倍~4.91倍と幅があります。学校数が増えたことで、もっと落ち着くのかとも思いましたが「水戸第一高校付属中学校」や「土浦第一高校付属中学校」など県内トップ校に入れることを考えると低いくらいなのかもしれません。
茨城県では首都圏ほど、中学受験が盛んではなかったようなので、公立中高一貫校をきっかけに中学受験が盛んになる可能性もあるのではないでしょうか。
茨城県 公立中高一貫校の偏差値
2023年8月27日に調べた茨城県 公立中高一貫校の偏差値
この記事を書いた2022年4月に調べた時の偏差値や、その時に書いた文章も下に掲載しますが2023年8月に調べ直した偏差値を下記に記載します。
首都模試には全ての学校の偏差値が掲載されていましたが四谷大塚は「県立水戸第一高等学校附属中学校」「県立土浦第一高等学校附属中学校」「県立並木中等教育学校」「県立日立第一高等学校附属中学校」の4校しか掲載されていませんでした。どちらの偏差値でも「県立水戸第一高等学校附属中学校」「県立土浦第一高等学校附属中学校」の2校が同じ偏差値で1位となっています。
ちなみに四谷大塚では、「県立並木中等教育学校」も含めた3校が同じ偏差値となっています。
2022年に調べた時には四谷大塚の偏差値も「県立水戸第一高等学校附属中学校」「県立土浦第一高等学校附属中学校」「県立並木中等教育学校」で差があったので、この1年でも評価が変わってきているのでしょうね。
公立中高一貫校の受検は作文問題など記述式問題が多いことと報告書(小学校で作成してもらう書類)などで選考されるため、偏差値で合否判定が出しづらいと言われます。
「四谷大塚の偏差値」は合不合判定テスト結果を元に算出されており、私立中併願者のレベルを知るのに参考になります。
茨城県の公立中高一貫校では「水戸第一高校付属中学校」や「土浦第一高校付属中学校」が偏差値60~63となっています。茨城県の私立中学では「水戸第一高校付属中学校」や「土浦第一高校付属中学校」ほど高い偏差値の学校はありません。
2022年に調べた時の四谷大塚の偏差値
茨城県の公立中高一貫校の過去問
茨城県 公立中高一貫校の評判
茨城県の公立中高一貫校に関する評判を調べると県内の方には評判が良くない(インターネット上で発言されている方々は)ようです。
こちらの掲示板でも、ネガティブな発言が目立ちます。
しかし、私は茨城県が公教育を変えようとする強い意志を感じます。
例えば茨城県立中高一貫校・中等教育学校の校長を公募して元官僚や元東京都区議、現電通社員などの経歴を持つ3名を水戸一、土浦一、水海道一の各校に副校長として配置しています。1年間副校長として教育の現場を経験した後に2023年から各校の校長になるようです。
個人的には変えることを拒む勢力が強い公教育で、ここまで大きな改革をすすめている茨城県にとても興味があります。大学進学実績という尺度だけでなく、世界中で活躍できる生徒を育ててくれる可能性を感じます。今後とも注目です。
塾や通信教育の茨城県 公立中高一貫校 合格実績
塾ランキング
2024年
茨城県の公立中高一貫校では市進教育グループ(市進学院、茨進、平成進學アカデミー、典和進学ゼミナール、個太郎塾、プロ家庭教師ウイング、NPS成田予備校)の寡占度が更に高まった印象です。
「水戸第一高校付属中学校」では2022年、2023年に続き早稲田アカデミーも高い合格実績となっています。
2023年
茨城県の公立中高一貫校では市進教育グループ(市進学院、茨進、平成進學アカデミー、典和進学ゼミナール、個太郎塾、プロ家庭教師ウイング、NPS成田予備校)が圧倒的な実績となっています。
「水戸第一高校付属中学校」では2022年に続き早稲田アカデミーも高い合格実績となっています。「土浦第一高校付属中学校」では今年もSAPIXや日能研も合格者を出しています。
2022年
茨城県の公立中高一貫校では市進教育グループ(市進学院、茨進、平成進學アカデミー、典和進学ゼミナール、個太郎塾、プロ家庭教師ウイング、NPS成田予備校)が圧倒的な実績となっています。
「水戸第一高校付属中学校」では早稲田アカデミーも高い合格実績となっています。「土浦第一高校付属中学校」ではSAPIXや日能研も合格者を出しています。
通信教育ランキング
2023年※通信教育の2024年実績は夏ごろに開示されると思います
進研ゼミやZ会でも茨城県の公立中高一貫校に多くの合格者を出しています。
2022年
進研ゼミやZ会でも茨城県の公立中高一貫校に多くの合格者を出しています。
ちなみに進研ゼミやZ会は2023年実績をまだ公表していないので実績は2022年分になります。
2021年
進研ゼミやZ会でも茨城県の公立中高一貫校に多くの合格者を出しています。
進研ゼミは2022年に開校した「県立下妻第一高等学校附属中学校」と「県立水海道第一高等学校附属中学校」以外は全てで合格者をだしています。2021年実績なので2022年は全ての学校で合格者が出ているかもしれません。(全てで合格実績が出ていました(2023年3月追記))Z会も多くの学校で合格実績が出ています。
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※本記事は各校や塾のホームページなどの情報をもとに作成しています。受検をご検討の方々はご自身で各ホームページの情報もご確認下さい。
まとめ
今回は、茨城県の公立中高一貫校の特徴や受検倍率、偏差値、過去問、塾や通信教育ごとの合格実績などをご紹介しました。
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