東京都立富士高等学校・附属中学校は、2010年(平成22年)4月に東京都立富士高等学校附属中学校が開校(中学校併設型)し都立中高一貫校となりました。2021年に高校募集を停止し、完全中高一貫校となっています。
この記事はもともと2022年4月に執筆したものです。当時の受検の温度感や雰囲気を参考情報として残しつつ、最新(2025年度・2026年度)の学校情報、倍率、進学実績、塾別合格者数などのデータを随時追記してアップデートしています。
- 東京都立富士高等学校・附属中学校のことを知りたい方
- 小5、小6で富士高等学校・附属中学校の受検を検討しはじめた方
- 富士高等学校・附属中学校に強い塾を知りたい方
- 富士高等学校・附属中学校を併願先として検討しはじめた方
都立富士高校附属中とは?
都立富士高校附属中(東京都立富士高等学校附属中学校)は、東京都中野区(東京都中野区弥生町5-21-1)にある公立の中高一貫校です。
コロナ禍で学校紹介動画が増えましたが都立富士高校附属中の学校紹介動画はクオリティ高いです。
教育目標
- 知性を高め、教養を深める
- 品性を養い、感性を磨く
- 自ら判断し挑戦する精神を高める
育成する生徒像
【自主自律】【文武両道】の精神の下、6年間一貫した探究活動を中心としたカリキュラムを通じて、富士山の裾野のような幅広い教養と高度な理数的解決力を身に付けさせることで課題解決力を育成し、この課題解決力を活用して、新しい価値観と既存の価値観を調和させ、社会の課題を解決するために自己の限界(高嶺)に挑戦できる人間「富士山型の人間」を育成する。
特徴
SSH(スーパーサイエンスハイスクール)
令和3年度より、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けることが決まりました。富士高等学校・附属中学校での6年間を貫く理数教育カリキュラムにより、科学的グローバルイノベーターである「富士山型探究者」を育成します。
高度な理数教育
富士高等学校・附属中学校の理数教育は6年一貫で行われ、数学で統計学や実験を、理科で高大連携授業や課題解決型の授業を取り入れることで、課題研究「富士未来学」をより高度に発展させていきます。新しいカリキュラムでは、文理を問わず全員が、高校3学年まで数学を履修し、理科の基礎科目4科目及び理数探究を履修します。
Global Education Network 20
東京都立富士高等学校も東京都教育委員会からGlobal Education Network 20に指定されています。英語教育や国際交流等のグローバル人材育成に関する取組を推進しています。
総合的な英語力の育成
東京都立富士高等学校・附属中学校の英語教育は、アウトプットを意識しています。「英語で思考し、英語で発信する力」を育むため、中学1年からオールイングリッシュで授業を行っています。4技能をバランスよく習得し、英語での思考力、表現力も育成します。ネイティブ講師による授業、ディベートなどの活動をとおして実践力も養います。
海外6大学との指定校協定
東京都立富士高等学校・附属中学校では、国際社会に関心があり、世界へ羽ばたく生徒を応援しています。英語合宿やアメリカやオーストラリアへの語学研修等の国際教育の機会を設けています。また、イギリス国立4大学、アイルランド国立大学、アメリカの私立大学の海外6大学と指定校協定を締結しており、海外大学への進学の道も拓いています。
※海外6大学:1.英国立バンガー大学 2.英国立セント・アンドリュース大学 3.英国立デ・モントフォート大学 4.英国立西イングランド大学 5.アイルランド国立ダブリン大学トリニティカレッジ 6.アメリカ私立グリーンビル大学との指定校提携を開始。全部で3名の海外大学指定校推薦枠があります。
海外留学などの推進
例年、中学3学年次にシリコンバレー短期研修、高校1学年の夏期にオーストラリアへの短期留学、高校1、2学年で東京都による「次世代リーダー育成道場」のプログラムで長期の留学を実施しています。この留学プログラムは希望者のみとなっており、例年応募多数であるため、選考等で参加者を決定しています。
※令和2年度のシリコンバレー研修は参加者24名定員のところ、約80名の応募がありました。その後の研修課題の取り組み状況等から選考を進めていました。
都立富士高校附属中の偏差値は?
都立富士高校附属中の偏差値は男子は57、女子は59(四谷大塚の80偏差値)と言われています。同じくらいの偏差値の学校を探すと、
公立中高一貫校は記述問題(作文含む)が多い適性検査であることや小学校から提出される報告書などで選考されるため、偏差値だけでは合格できるか判断できない面があります。
ただ四谷大塚の偏差値からは私立中学受験をしている受検者の併願校のレベルを知る上で参考になります。
- 東京都立白鴎高附属中学校
- 東京都立立川国際中等教育学校
- 中央大学附属中学校
- 東京都市大学等々力中学校
- 法政大学第二中学校
- 中央大学附属横浜中学校
- 神奈川県立平塚中等教育学校
- 神奈川大学附属中学校
などです。
都立富士高校附属中の受検倍率は?
都立富士高校附属中の受検倍率は?
都立富士高校附属中の一般枠倍率は、かつての3.8倍前後から、直近では少し落ち着いた推移を見せています。都立一貫校の中では受検しやすい倍率帯をキープしています。
- 2021年度: 応募倍率 3.24倍
- 2022年度: 応募倍率 3.81倍
- 2023年度: 応募倍率 3.59倍
- 2025年度: 募集160名/受検者419名/実質倍率 2.62倍(応募倍率2.67倍)
- 2026年度: 募集152名/受検者385名/実質倍率 2.53倍(応募倍率2.60倍)
2026年度入試からは男女枠の撤廃に合わせ、全体の募集人数が152名に微減しましたが、受検者数もやや減少し実質倍率は2.53倍となりました。都立中の中では広き門に映りますが、受検生の質は極めて高く、適性検査対策の手を抜くことはできません。
都立富士高校附属中の受検倍率は2021年は3.24倍、2022年は3.81、2023年3.59倍でした。
都立中の中では倍率は高くないですが574名が受検して合格できるのは160名ですから、簡単な受検ではありません。
都立富士高校附属中の評判は?
「みんなの中学情報」に記載されている評判を見ると東京都内777校中56位と非常に高い評価の学校です。特に「いじめの少なさ」東京都内777校中6位、「治安/アクセス」同19位、「校則」同36位などが高い評価です。逆に「先生」同616位、「制服」同325位などが低めです。
東京メトロ丸ノ内線「中野富士見町」駅から徒歩1分で、JR「中野駅」、京王線「幡ヶ谷」、「笹塚」、京王井の頭線「西永福」からバスでもアクセスできるため評価が高いと思われます。
制服は「今っぽく」はないからですかね…
制服
都立富士高校附属中の進学実績は?
都立富士高校附属中の進学実績
高校募集を停止し「完全中高一貫化」したことにより、1学年の卒業生数が100〜110名前後と、以前の約180名前後からスリム化されました。人数は減りましたが、1人あたりの進学実績(現役合格率)のクオリティは極めて高く、少数精鋭の成果を存分に発揮しています。
2026年春(卒業生約110名)大学合格実績
- 主要国公立大学:
- 東京大学:2名
- 一橋大学:6名
- 東京科学大学(旧東工大・東京医科歯科大):3名
- 筑波大学:7名
- 千葉大学:2名
- 東京都立大学:8名 など
- 主要私立大学(現役のみ):
- 慶應義塾大学:14名
- 早稲田大学:36名
- 上智大学:15名
- 明治大学:56名
- 中央大学:22名
- 法政大学:39名
- 立教大学:11名 など
2025年春(卒業生100名)大学合格実績
- 主要国公立大学:
- 東京大学:1名
- 京都大学:1名
- 一橋大学:4名
- 東京科学大学:2名
- 筑波大学:6名
- 東京都立大学:2名 など
- 主要私立大学(現役のみ):
- 慶應義塾大学:16名
- 早稲田大学:45名
- 上智大学:25名
- 東京理科大学:30名
- 明治大学:56名
- 立教大学:15名 など
完全中高一貫化後の富士は、理数探究カリキュラム(SSH)の効果もあり、限られた少人数から国公立大学や早慶上理へ極めて高確率で現役合格者を送り出しています。
令和3年度 合格実績
令和2年度 合格実績
都立富士高校の令和2年度の進学実績は東京大学1名、東工大1名など国公立大に39名などです。
都立富士高校附属中への各塾の合格実績
都立富士高校附属中への各塾の合格実績
塾別の合格者数(2022年〜2026年の推移)
都立富士高校附属中学校の合格者数の多くは、都立受検特化の「ena」から出ていますが、近年は他の中私立対策塾からの合格者も目立つようになっています。
| 塾名 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年(最新) |
|---|---|---|---|---|---|
| ena | 99名 | 99名 | 96名 | 115名 | 98名 |
| 栄光ゼミナール | 17名 | 25名 | 21名 | 19名 | 14名 |
| 日能研 | 6名 | 3名 | 2名 | 7名 | 3名 |
| 四谷大塚 | 3名 | 5名 | 6名 | 1名 | 3名 |
| SAPIX | 2名 | 1名 | 2名 | 2名 | 0名 |
| 早稲田アカデミー | 1名 | 1名 | 2名 | 1名 | 0名 |
【追記】現在の状況(2026年最新) 2026年度入試(定員152名)において、enaが98名(合格占有率64.5%)を叩き出しており、現在も ena が全体の2/3近くを占めるダントツの状態が続いています。 また、栄光ゼミナールも2026年度に14名の合格者を出しており、一貫して安定した実績を出し続けています。都立富士を目指す場合は、基本的にはこの2塾のカリキュラムを軸に対策を立てるのが最善と言えます。
東京都立富士高等学校・附属中学校の塾別の合格者数としては他の都立中高一貫校と同じく「ena」がNo.1の合格者数となっています。
2位は栄光ゼミナールで、その他には「SAPIX」「早稲田アカデミー」「日能研」など私立中学受験塾の合格者数も増えてきています。
2023年
2022年
都立富士高校附属中への各塾の合格実績では
- ena:99名
- 栄光ゼミナール:17名
- 早稲田進学会:6名
となっていました。
都立富士高校附属中へのZ会/進研ゼミの合格実績
- Z会(会員全体): 38名(2021年) ➔ 13名(2026年最新)
- 進研ゼミ(小学講座): 16名(2021年) ➔ 12名(2025年実績)
都立中受検ではZ会や進研ゼミにも適性検査対策のオプション講座があり、都立富士高校附属中に21年はZ会38名、進研ゼミ16名が合格しています。
Z会や進研ゼミの単体受講だけでなく塾との併用も含まれると思いますがZ会では2022年からリニューアルで東京都立中(全校)や千葉県立中(千葉・東葛飾)などで出題される「長文読み取り問題」「複数の資料の読み取り問題」に対応する特別回も追加。志望校にあわせた対策が可能です。難解な出題形式に慣れ、限られた時間で正答にたどり着くためのトレーニングを行います。※5年生の8・12・3月号、6年生の10~12月号で出題します。
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都立富士高校附属中の過去問・受験対策ガイド
集団塾だけに頼らない ― 「集団塾+個別指導」という選択肢
最後に、2人の子どもの受検を経験した今だからこそ言える「集団塾との付き合い方」について書いておきたいと思います。
我が家は、娘が栄光ゼミナール、息子がenaという集団塾に通いました。結論から言うと、集団塾に通わせたこと自体は間違いではありませんでした。適性検査対策のカリキュラムや情報量という点で、専門コースを持つ集団塾は非常に頼りになります。公立中高一貫校を目指すなら、まずはこうした集団塾を軸に据えるのが王道だと思います。ただ、「塾に任せきり」ではうまくいかなかったのも事実です。
集団塾で得たものを「どう自分のものにするか」でつまずきかけました。ここを個別のサポートで補うという考え方に、最終的にたどり着きました。
季節講習は「受けっぱなし」が一番もったいない
娘は栄光ゼミナールで夏期講習・冬期講習・春期講習といった季節講習や「栄光の森」(夏合宿)に参加しました。まず、これら季節講習そのものは受けて良かったと思っています。各塾がそれまでに培ってきたノウハウが凝縮されていて、短期間で一気に力を伸ばせる貴重な機会です。ここは集団塾の強みが最も発揮される場面だと感じます。
ただ、一つだけ強く言いたいのは、季節講習を「受けっぱなし」にしないことです。授業を受けただけで満足してしまうと、せっかくのノウハウも定着しません。大事なのは、その日にやった内容をしっかり復習して、自分のものにすること。これができるかどうかで、季節講習の成果は大きく変わってきます。
これは我が家の正直な感想ですが、高額な合宿に参加するくらいなら、その費用と時間を「季節講習の復習」に充てたほうが効果は高いのではないか、とも思っています。合宿には合宿にしか得られない良さ(受検生としての自覚や仲間との刺激など)もありますが、こと「学力を伸ばす」という一点で見れば、家庭教師などにマンツーマンで復習・定着させてもらうほうが、費用対効果は高いと感じました。つまり、集団塾で得たインプットを、いかにして自分のものにするか。ここに個別のサポートを組み合わせるのが、私がたどり着いた考え方です。
集団塾に通うだけで安心してはいけない ― 「補完」の視点
実際に2人の受検を経験して痛感したのは、集団塾には構造的にどうしても手が届きにくい領域がある、ということです。大きく3つあります。
一つ目は「一人ひとりのつまずきの分析」です。集団授業ではクラス全員に同じ解説をするため、「自分の子がどこでつまずいているのか」を個別に特定してもらうのは難しいのが実情です。
二つ目は「記述・作文の添削の量と深さ」です。適性検査は記述式が中心ですが、集団塾では一人あたりの添削にかけられる時間に限りがあります。娘が通った栄光ゼミナールも、息子が通ったenaも、作文添削が「誤字に×が書いてあるだけ」だったように、自分の答案が採点官にどう伝わるかは、第三者に細かく見てもらわないと客観視できません。
三つ目は「過去問演習期(小6秋以降)のピンポイントなフォロー」です。志望校の傾向に合わせた苦手分野の集中対策は、どうしても個別対応が必要になります。直前期の過去問演習は、娘の時は私と妻でサポートしましたし、息子の時はオンライン家庭教師の先生にお願いしました。
こうした「集団塾では補いきれない部分」を埋める手段として、近年は集団塾と個別指導・家庭教師を併用するご家庭が増えています。以下、私が実際に話を聞いたり運営したりしている2つの選択肢を紹介します。
「東大家庭教師友の会」を運営する株式会社トモノカイのPersonal Education(PE)部門(帰国子女やインターナショナルスクール生向けオンライン家庭教師「EDUBAL」(業界シェアNo.1)や、「東大家庭教師友の会」を運営する部門)で「オンライン東大家庭教師友の会」を担当されている方とお話させていただく機会がありました。
「オンライン東大家庭教師友の会」では、集団塾の授業や模試だけでは補いきれない「苦手分析」「記述添削」「勉強の型づくり」を、東大生・難関大生教師がマンツーマンでフォローしてくれるサービスもおこなっているとのことです。東京都最難関校「小石川中等教育学校」、国立の東大教育学部附属中、筑波大附属中などへの合格サポート実績があるとのことで、集団塾のカリキュラムと並行して弱点部分だけを補強したいご家庭に向いていると思います。
先日、このサービスで都立中高一貫校の適性検査対策を担当されている方から、対策のポイントを詳しくお聞きする機会がありました。以下は東京都立中を目指すご家庭に向けたお話で、神奈川の受検とは志望校が異なりますが、「記述力」「勉強の型」といった適性検査対策の勘所そのものは神奈川の公立中高一貫校受検にもそのまま通じる内容でした。長くなりますが、非常に参考になったので共有します。
公立中高一貫校の適性検査対策 ― 合否を分ける「記述力」と「勉強の型」
公立中高一貫校の受検は、かつての爆発的な人気に沸いた時期と比べると、近年は倍率が明確に落ち着いてきています。
制度が始まった当初(都立の適性検査は2005年スタート)は、対策法が確立しておらず「とりあえず受けてみよう」という記念受験組も多かったため、倍率は非常に高いものでした。都立第一号として2005年に中学入試を実施した白鷗高校附属中の初年度倍率は、実に13.21倍に達しています。その後も人気は続き、2015年前後の都立各校の受検倍率は6〜8倍台がずらりと並んでいました(2015年は白鷗8.32倍、両国7.18倍、桜修館6.76倍など)。
しかし、受検対策のノウハウが各塾で確立され、「相応の準備をしなければ受からない」というハードルの高さが広く知られるようになったこと、いわゆる記念受験層が減ったことなどから、倍率はここ数年で着実に低下してきました。2024年度には都立各校の受検倍率は最も高い九段でも4.58倍、平均では3.5〜3.6倍程度まで下がり、2025年度・2026年度も一般枠の応募倍率は平均3.5倍前後で推移しています。
ただし、この「倍率低下」は必ずしも合格しやすくなったことを意味しません。むしろ、記念受験の層が抜けて、しっかり準備してきた受検生が残るようになった結果でもあり、実質的な競争の質は下がっていないとも言われます。しかも公立中高一貫校は原則として一校しか受検できず、検査はすべて同日に実施されるため、限られたチャンスで確実に力を発揮する準備が欠かせません。
「オンライン東大家庭教師友の会」では、都立中高一貫校(白鷗、両国、小石川、桜修館、武蔵など)や、適性検査型入試を導入している国立中高一貫校(東京大学教育学部附属中等教育学校など)の受検を目指す小学5年生〜6年生を数多く指導してきました。公立一貫校に特化した大手進学塾(enaなど)の集団授業や合判模試のフォロー、そして「過去問演習期(小6の秋以降)」における記述・算数・作文のピンポイント添削・苦手分析指導で多くのご家庭に選んでいただいてきました。
この記事では、これまでの指導で見えてきた適性検査対策の勘所を、具体的なエピソードを交えてお伝えします。
まず押さえたい ― 適性検査は「私立入試」とはまったく別物
都立中受検対策をご説明する前に理解していただきたいのが、適性検査は私立中学の教科型入試とは求められる力が根本的に異なる、という点です。私立入試が国語・算数・理科・社会の教科ごとの知識と処理力を問うのに対し、公立一貫校の適性検査は、会話文や資料・グラフを読み取り、複数教科の知識を総合して「自分の考えを筋道立てて説明する」教科横断型の出題が中心になります。
多くの都立校では、検査が次の3つに分かれています。
適性検査Ⅰ
適性検査Ⅰは主に文章読解と400字前後の作文で、読み取る力と自分の考えを表現する力が問われます。
適性検査Ⅱ
適性検査Ⅱは表・グラフ・会話文など複数の資料を読み解き、理由を述べたり数値で裏付けたりする論理的思考の問題です。
適性検査Ⅲ
そして適性検査Ⅲ(実施校は一部)は、複雑な条件設定の中で図や計算を使って考える数理・条件整理の力を問います。小石川中等のように理数系の独自問題に強い学校、桜修館のように適性Ⅰの作文の比重が大きい学校など、学校ごとに配点や傾向が大きく異なるため、志望校の出題傾向を早めに把握することが第一歩となります。
いずれの検査に共通するのは、私立入試のような単純な○×の知識問題がほぼないということです。「なぜその式になるのか」「なぜその実験結果になるのか」を、言葉や図で採点官にわかりやすく伝える記述力こそが合否を分けます。
適性検査Ⅰ(文系・表現分野)― 「構成メモ」の確立とケアレスミス対策
文章を読んで自分の意見をまとめる作文は、多くの受検生が最初につまずくところです。ある生徒も、当初はアイデア出しや文章の組み立てに苦戦していました。加えて、国語の長文読解の「抜き出し問題」で、細かい誤字・脱字による失点が課題になっていました。
このとき担当教師がまず徹底したのが、集団塾の模試をベースにした「作文の構成メモ」の書き方です。いきなり原稿用紙に書き始めるのではなく、メモの段階でアイデアを整理してから書く習慣をつけました。あわせて、文章の趣旨を正確につかむために「文章の中で一番言いたい一文に線を引く練習」を繰り返し行いました。
抜き出しミスや誤字ミスについては、教師が一方的に注意するのではなく、「ミスを無くすために自分でリマインドのルールを決めてもらう」というアプローチを取りました。ミスを他人に指摘されて直すのではなく、自分でチェックの仕組みを持つことで、本番でも再現できる自立的な意識が育ちます。
構成メモがすっかり板についたことで、「メモを元にスムーズに書き切る型」が確立され、これが本人の大きな自信になりました。塾の日曜特訓の適性Ⅰでは「60点(誤字がなければ70点)」という高得点を獲得し、合判模試でも手応えを実感できるレベルまで文系の表現力が引き上がりました。
適性検査Ⅱ・Ⅲ(理系・融合分野)― 問題文の読み取りと「部分点をもぎ取る記述のコツ」
算数・理数分野の適性検査(適Ⅱ・適Ⅲ)に強い苦手意識を持つ受検生は少なくありません。ある生徒も、問題文の量が多く一見難しそうに見える立体図形や条件整理の問題で、問題文を正確に読み解けずに記述で苦戦していました。集団塾では一人ひとりが「どこでつまずいているか」の分析まで手が回りにくいため、教師は次のような個別対策を行いました。
まず、夏期講習でわからなかった問題を徹底的に洗い出し、「グラフや表の数値を式に書き換えていく作業」を隣で一緒に実践しました。一見難解に見える問題も、「落ち着いて条件を読み解けば難しくない」ことを体感させるのが狙いです。
そのうえで、理数の記述で確実に部分点をもぎ取るために、教師が汎用的な「実験系記述のコツ」を伝えました。ポイントは次の3つです。
- 数字(実験結果)や、上下左右・東西南北などの客観的な情報を用いて説明する
- 変化を説明するときは「変化前 → 変化後 → 前後の差と理由」の3ステップの順序で書く
- 一文を短く簡潔にし、書いた図には必ず言葉で説明を加える
授業では、解説をただ聞く受け身の姿勢にさせず、「どうしてこの解き方になるのか、口頭で説明してみて?」と問いかけ、能動的な思考プロセス(言語化)を徹底させました。自分の言葉で説明できることは、記述で採点官に伝わる答案を書けることと直結します。
「グラフと表」の演習を徹底的に3周やりきったことで計算速度が劇的に向上し、一つ教えればすぐに本質を理解できるまで理系脳が覚醒。苦手意識のあった算数分野を「楽しい!」と感じられるまでマインドが変化しました。本番直前には、レベルの高い「サイコロの立体図形問題」のような実戦的な初見問題に対しても、持ち前の空間想像力を発揮して短時間で自力で解き明かせるほど、思考力・記述力が大きく開花しました。
総括 ― 高倍率を突破するための「正しい勉強のやり方」
これまでの指導から見えてきた、公立・国立一貫校の適性検査対策における最大の注意点は2つあります。
一つは、集団塾のカリキュラムをこなすだけで満足せず、解いた過去問を「その日中」に必ず復習・解き直しすること。もう一つは、記述のプロセスを第三者に細かく添削してもらうことです。適性検査は記述式が中心である以上、自分の答案が採点官にどう伝わるかは、自分一人ではなかなか客観視できません。
前述のとおり、適性検査には単純な知識問題がほぼありません。「なぜその式になるのか」「なぜその実験結果になるのか」を言葉や図でわかりやすく伝える記述力が合否を分けます。だからこそ、夏休みのうちに自分なりの「勉強ルーティン」を確立し、10月・11月の綿密な学習計画を先回りで立てておくことが重要になります。
集団塾での学びを土台にしながら、一人ひとりのつまずきに合わせて「正しい勉強のやり方の型」を授け、受け身ではない能動的な思考力を育てること。これこそが、高倍率の公立・国立一貫校受検を突破する最大の鍵です。
指導・合格実績
これまで、東京都立小石川中等教育学校、東京大学教育学部附属中等教育学校、筑波大学附属中学校をはじめとする公立・国立一貫校への合格をサポートしてきました。集団塾の授業や模試だけでは補いきれない「苦手分析」「記述添削」「勉強の型づくり」の部分を、東大生・難関大生教師がマンツーマンでお手伝いします。適性検査対策にお悩みのご家庭は、ぜひ一度ご相談ください。
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まとめ
今回は、東京都立富士高等学校附属中学校の「特徴」「 偏差値」「進学実績」「塾や通信教育ごとの合格実績」などをご紹介しました。
※本記事は東京都立富士高等学校附属中学校や各塾などのホームページなどの情報をもとに作成しています。受検をご検討の方々はご自身で各ホームページの情報もご確認下さい。
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