学費が安く、高い進学実績であることから人気が続いている公立中高一貫校(都立中高一貫校)
本格的な適性検査対策(公立中高一貫校の入試対策)は小6からでも十分に間に合うということでも人気です。
今回は2022年から娘が公立中高一貫校に通わせてもらい、2024年に弟も公立中高一貫校受検を予定している私が保護者の目線で都立・公立中高一貫校に強い塾や通信教育を徹底的に紹介します。
公立(都立)中受検でも塾に行かせる必要があるの?
公立中高一貫校受検(都立中高一貫校受検)に興味があるのだけれど、公立(都立)中受検でも塾に行かせる必要があるのかな?また、行かせるとしたらどの塾が良いんだろう?
なるほど。
確かに学費などの費用が抑えられて、学習に対する環境の良さで高い進学実績を誇ることから『公立中高一貫校(都立中高一貫校受検)』受検を検討するご家庭が増えています。
ただ、注意しなくてはいけないことは、公立中高一貫校受検の選抜方法である『適性検査』は、私立中学の選抜試験とは目的や内容が違うということです。
『適性検査』か…一般的な私立中学受験のように国語、算数、理科、社会の4科目のテストがおこなわれるわけではないの?
はい。
『適性検査』は、科目ごとに分かれておらず教科横断型の検査です。
ちなみに公立中高一貫校の選抜方法を『適性検査』と言うのも目的に関係があります。私立中学受験の目的が学力の高い生徒を選抜する学力検査なのに対して、公立中高一貫校の選抜目的は各校が求める生徒像との適性を検査する目的で選抜がおこなわれていることです。
例えば東京都の小石川中等教育学校の育てたい生徒像は下記3つです。
- 現状に満足せず、高い志をもち、自らの個性と能力を自ら開拓する生徒
- 国際社会に生きる日本人として、幅広い教養と豊かな感性及び高い語学力を身に付けた生徒
- 自然科学など様々な場面・分野で活躍できるリーダーを目指す志の高い生徒
この育てたい生徒像との適合性を検査するのが『適性検査』となるわけです。
なので『勉強方法や対策も私立中学受験とは違ったもの』だと言えます。
つまり、勉強方法や対策を教えてもらうためには、それに対応した塾を選ぶ必要があるわけです。
なるほどな~でも公立中高一貫校受検(都立中高一貫校受検)は塾に行かなくても受かる子がいるって聞いたことがあるんだけど…
娘が通う公立中高一貫校でも「塾に通わずに」合格した同級生がいるそうです。
ただ娘と息子の受検をサポートしてきた私の見解としては自力で『適性検査』対策をおこなうことは不可能ではないものの、保護者にもかなりの負担があると言うことです。
適性検査とは
適性検査には、適性検査Ⅰ、適性検査Ⅱ、適性検査Ⅲの3種類があり、ⅠとⅡだけを問う学校やⅠからⅢのすべてを問う学校もあります。
適性検査Ⅰ…文系・作文など
適性検査Ⅱ…理系など
適性検査Ⅲ…独自作成問題(主に算数・理科)
適性検査Ⅰは、文系・作文、Ⅱは理系、Ⅲは、学校独自の問題(主に算数・理科)です。
学校によって文系寄り、理系寄りと傾向は異なるので、過去問などで受検する学校の傾向を確認しておく必要があります。
都立中高一貫校/区立中高一貫校で合格実績が高い塾
東京都内の都立中高一貫校/区立中高一貫校には、どのような対策塾があるのでしょうか。まずは合格実績を参考に、主要な対策塾を確認していきましょう。
都立中高一貫校/区立中高一貫校への塾別合格実績
各塾の特徴
ena
都立中高一貫校/区立中高一貫校への合格実績では全11校でNo.1
enaは都立中高一貫校/区立中高一貫校の全てで合格実績No.1と圧倒的な実績を出しています。
都立中高一貫校受検に挑戦したいというご家庭は、まずはenaへの通塾を検討すると思います。
ただ、息子が通っている塾でもあるので、私が感じた注意した方が良いことをご紹介しておきます。
enaが都立中、区立中で圧倒的な実績なのは間違いありません。しかし教室によって、かなり差があると感じました。都立中、区立中を目指す場合はena1択とも言われます。良い塾だと思いますが教室ごとに授業の質に差があるように感じたので、しっかり教室に行って授業の様子を見学させてもらったり、体験授業を受けさせてもらってから通塾を決めることが大切だと思います。
実ははじめて見学させてもらった教室は、授業中に歩き回っている生徒はいるし(もちろん、ずっとじゃないですけど授業中に教室内を歩いてるのは驚きでした)、授業中に話をしている生徒も多い印象でした。
事前に電話で相談していたのに来校することを把握していないし、「大丈夫か?」と不安になりました。
そこで、隣の駅にもenaの教室があったので、最寄り駅ではなかったのですが電話で相談したところ「それは、酷いですね。。。うちの教室も見学して決めてください」とのことだったので、隣の駅のena教室にも見学しに行きました。
こちらの教室は、歩き回っている生徒や授業中に話しているような生徒はいませんでした。
で授業中に演習問題をしている時も先生が生徒の解いているところを回って声をかけていました(はじめに行った教室では、この演習中に生徒が歩いたり、喋ったりしていました)
と言うわけで、少し遠くなってしまいますが2つ目の教室で春期講習をうけさせてもらうことになりました。
栄光ゼミナール
都立中高一貫校/区立中高一貫校への合格実績ではNo.2
栄光ゼミナールは都立中高一貫校/区立中高一貫校の武蔵高附属中以外で2桁の合格者を輩出しています。多くの学校でenaに次ぐ合格実績です。特に桜修館中や区立九段中では高い実績となっています。
東京都 | |||
千代田区立九段中 | 25名 | 都立桜修館中 | 31名 |
都立大泉高附属中 | 14名 | 都立小石川中 | 17名 |
都立立川国際中 | 14名 | 都立白鴎高附属中 | 14名 |
都立富士高附属中 | 11名 | 都立三鷹中 | 18名 |
都立南多摩中 | 13名 | 都立武蔵高附属中 | 8名 |
都立両国高附属中 | 20名 |
栄光ゼミナールは娘の受検時に通っている塾です。こちらも注意した方が良い点があります。
適性検査対策の専門性がある塾に通うことは受検を成功させる確率を高めることが出来ると思いますが、塾に依存し過ぎるのも危険だなと感じました。
下記の記事で「忖度なしのぶっちゃけ体験談」を紹介しています。
早稲田アカデミー
都立小石川中オープン模試を実施するなど難関都立中/区立中が得意
早稲田アカデミーは、小6の9月から小石川特講、県立千葉中特講、難関公立中高一貫校特講など難関校対策のコースを提供しています。
早稲田アカデミーは中学受験、高校受験、大学受験と全年代向けの受験指導を提供している塾です。
中学受験領域では難関私立・国立中学で高い実績を出しています。
公立中高一貫校(都立/区立含む)受検のコースは用意していますが私立中・国立中受験対策がメインの塾だと思いますが東京都内では「小石川中等教育学校」「武蔵高校附属中学校」「千代田区立九段中等教育学校」で2桁の合格者数を輩出しています。
小6の9月からは「公立中高一貫校対策 土曜テストゼミ」で実践力の育成もしてくれます。
ただし会場は下記6会場のみです。
SAPIX・日能研
小石川中等ではenaに次ぐ合格実績のSAPIX/桜修館でena・栄光に次ぐ合格実績の日能研
SAPIX・日能研は私立中学受験をメインとした塾で都立中/区立中対策のコースなどはありません。
ただ、小石川中等や桜修館などは難関私立中学の併願校として受検されるケースもあり多くの合格者を輩出しています。
超最難関の麻布中、灘中、慶応義塾中等部、渋谷教育学園渋谷中などでは知識だけでは解けない思考力や記述力を問う問題も多く出題されており、このような超最難関中学を目指す小学生は、都立中/区立中の適性検査問題にも対応している面と小石川中等や桜修館などの難関公立中高一貫校の適性検査は難易度が超最難関中学対策をしている小学生を選抜できるような難易度になっていることが要因だと思います。
知識だけでは解けない思考力問題集は息子にも取り組ませています。
ただ、都立/区立の中高一貫校を第一志望とする場合には、SAPIX・日能研は対象にならないかなと思います。
早稲田進学会
小石川中等教育学校では適性検査対策塾ではenaに次ぐ合格実績
早稲田進学会の2023年小石川中等教育学校合格実績はenaやSAPIXに次ぐ実績ですが、2006年からの合格者総数は667名と都立中高一貫校受検初期から専門塾として安定した合格実績を出しています。
小石川中等以外にも武蔵中、大泉中、三鷹中など多くの都立中高一貫校で合格者を輩出しています。
早友学院
両国高校附属中学校ではenaに次ぐ合格実績
早友学院では、「読解作文」「思考する算数」「テーマ学習」を三つの柱として、分析し、推理し、判断し、自分の考えをしっかり表現する能力を育成しています。小4からパズルやゲームにも取り組み、柔軟な思考力を目覚めさせます。小6の算数では入試に多用される割合やパズル系、論理系の問題をたくさんこなし思考力を鍛え上げます。テーマ学習では資料分析や社会・理科分野の知識も深め、視野の幅を広げます。読解作文は長文を速く読み解く訓練をくり返し、 200字、300字、400字の作文指導を重ね文章力を高めていきます。
早友学院 2023年度 公立中高一貫校合格実績
両国高附属中 | 28名 |
白鷗高附属中 | 2名 |
小石川中等教育 | 2名 |
大泉高附属中 | 1名 |
神奈川県内の公立中高一貫校で合格実績が高い塾
神奈川県内の公立中高一貫校には、どのような対策塾があるのでしょうか。ちなみに東京都では圧倒的な実績のenaも神奈川県では3名しか合格実績はありません。まずは合格実績を参考に、主要な対策塾を確認していきましょう。
神奈川県内の公立中高一貫校への塾別合格実績
各塾の特徴
臨海セミナー
相模原中等、川崎附属中では実績No.1
臨海セミナーは横浜市、川崎市の市立中高一貫校では3年連続合格実績No.1です。
また神奈川県立相模原中等教育学校でも3年連続で合格実績No.1です。
東京都にも進出して都立中、区立中でも合格者を輩出していますが、東京都ではenaなどに大きな差を付けられています。
中萬学院
神奈川県下の公立中高一貫校合格実績12年連続No.1
中萬学院は、平塚中等教育学校で11年連続No.1で2023年は160名の定員に対して92名の合格実績と圧倒的な合格実績となっています。
ちなみに中萬学院は、2019年に静岡県で佐鳴予備校を運営する株式会社さなるの子会社となっています。
湘南ゼミナール
横浜サイエンスフロンティア中合格実績7年連続No.1
湘南ゼミナールは横浜市の市立中高一貫校で一定の成果を出しており特に横浜サイエンスフロンティア中では7年連続の合格実績No.1となっています。
ちなみに湘南ゼミナールは、2020年に新潟県と首都圏で個別指導の「森塾」を運営しており、日本全国で「自立学習RED」 をフランチャイズ展開をしている株式会社スプリックスの子会社となっています。
STEP
神奈川県の難関公立高校合格実績No.1が県立中高一貫校受検コースを展開
STEPは、神奈川県の最難関高校である横浜翠嵐高校132名合格(2023年)、湘南高校245名合格(2023年)とどちらも全塾中No.1です。
公立中高一貫校コースは県立中高一貫校コース(相模原中等教育学校、平塚中等教育学校)のみ提供しており相模原中等教育学校 26名合格(2023年) 平塚中等教育学校 19名合格(2023年)と合格者を輩出しています。
適性検査対策塾にはいつから通うべき?
ここまで東京都と神奈川県で適性検査対策に強い塾をご紹介してきましたが、その適性検査対策塾には、いつから通うのが良いのでしょうか?
多くの適性検査対策塾が本格的な適性検査対策授業を実施するのは小6になってからです。小5までは私立中学受験のコースで使用するテキストなどで国語、算数、理科、社会などの授業がおこなわれていたりします。
なので適性検査対策塾に通いはじめるのは小6になってからで問題ないと思います。
ただし、注意が必要なのが小6までは何もしなくて良いかと言うと、そんなことはありません。
小6になる前に身に付けておきたいのが「基礎力」です。
また調査書の提出を求められる場合には小5や小4の成績も見られる学校もあります。志望校の募集要項などを確認して、調査書で小5や小4の成績も求められる場合は小学校の通知表の数字には気を付けておきましょう。
東京都・神奈川県の公立中高一貫校で合格実績が高い通信教育
塾との併用も含まれると思いますが、Z会や進研ゼミでも東京都・神奈川県の公立中高一貫校に多くの合格者を輩出しています。
Z会
独自の教育方針で子どもの個性や能力を伸ばし、近年高い進学実績を誇る学校も増えている公立中高一貫校。
その入学者選抜時に実施される適性検査では、「その場で直面した問題に自力で挑戦する力」や「自分の意見や考えを論理的に表現する力」が必要な問題が多く出題されますが、これらの力はすぐに身につくものではありません。
そこでZ会は、そうした独特の出題形式に対応できる力が身につけられる「公立中高一貫校受検対策講座」をご用意。通信教育で、合格に必要な力を最大限に磨き上げることができます。
Z会 東京都/神奈川県の公立中高一貫校で合格実績
この合格者数には塾との併用も含まれると思いますが、Z会は2022年度からは東京都立中(全校)や千葉県立中(千葉・東葛飾)などで出題される「長文読み取り問題」「複数の資料の読み取り問題」に対応する特別回も追加しています。難解な出題形式に慣れ、限られた時間で正答にたどり着くためのトレーニングを行います。※5年生の8・12・3月号、6年生の10~12月号で出題されます。
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進研ゼミ
進研ゼミの公立中高一貫校受検講座では、メインテキスト・映像授業・赤ペン先生の問題・実力完成ワークを毎月進めていきます。
1か月に1回約30分×12~14回の学習量。4教科の基礎固め・内申対策も必要なため、小学講座(チャレンジ、チャレンジタッチ)とあわせての活用がおすすめされています。(小学講座は1回約15~20分×約25回)
進研ゼミ 東京都/神奈川県の公立中高一貫校で合格実績
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公立中高一貫校(都立中高一貫校)の学費の謎に迫る!
「公立中高一貫校(都立中高一貫校)は学費が安いって言うけど本当?」と思っている皆さん、以下は東京都立小石川中等教育学校のホームページに掲載されていた費用です。
もちろん完全無料ではありませんが私立中学と比較すると安いですよね。学校によって若干の違いはあると思いますが概ねこんな感じです。
※後期課程は高校のことです。
まとめ
今回は、主に合格実績の観点から東京都と神奈川県の公立中高一貫校に強い塾や通信教育を紹介しました。
しかし合格実績以外にも、学習スタイルや宿題の量、子どもの性格と合うかなども塾選びでは重要です。
そのため、気になる塾がある場合は「教室に足を運んで授業の様子を見学させてもらったり」「体験授業を受けさせてもらって」子供との相性を確認してから通う塾を決めることが重要だと思います。
公立中高一貫校の適性検査専門のオンラインスクールを開校準備中
保護者が我が子のために設計したオンラインスクール
- 公立中高一貫校受検コース(文系/理系):新小6コース/新小5コースの募集開始
- 中高一貫生向けコース(数学/英語):中1生コース募集開始
- 英検対策コース:小学生/中学生コース募集開始
「公立中高一貫校受検コース」は私立中学受験を予定していて都立中の併願を予定されている生徒さんにもお薦めです。
無料※体験授業も受付中です!※複数名コースのみ
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